外資系企業人事部長の部下へ宛てたHR Letter「グローバル企業での働きかた」第38話 グローバル企業のリーダーシップとは

第38話 グローバル企業のリーダーシップとは

私がグローバル企業に入って経験したことで、リーダーシップにおいて今まで考えなかった2つの発見がありましたのでそのお話をしたいと思います。

1つ目は「リーダーシップは自ら率先垂範おこなうことである」という至極シンプルなことです。

グローバルのシニアマネージャーが年1回集まるキックオフミーティングというものがあります。私もその会議に参加する機会がありました。グローバルから200人ほどが本社に集まってCEOを中心のその年の方針を議論するものです。ほぼ2日間にわたるその会議は10以上のイベントが企画されていました。方針説明、議論、ワークショップ、表彰、チームビルディング、ボランティア活動など様々です。その会議をメインで仕切ったのは司会進行MCではなく、CEOその人でした。

日本の会社ではいわゆる事務局という人たちがたくさんいて、色々なことをCEOの代わりに動き回ることが多いと思います。CEOはお膳立てができた上に話をするというスタイルです。しかしながらその会議は違いました。もちろん事務局はいましたが、一番忙しいのはCEO でした。CEOはまさに自分の部下にその場でリーダーシップを見せていました。

「ああ、リーダーシップとは率先垂範するものなんだ」と実感したことでした。

2つ目は「リーダーシップはすべての人に関係する能力だ」ということです。

リーダーシップ=リーダーの役割、という考えになっていませんか? かくいう私もそう思っていました。またリーダーになってからもリーダーシップを発揮できるよう頑張っていましたが、部下のリーダーシップにはフォーカスしてきませんでした。

しかし本来リーダーシップとはコンピテンシーの1つであって、すべての人を対象としたスキルなのです。従ってリーダーシップとは、ある分野において物事を現状からあるべきところへ運んでいくためのスキルで、その任に当たるべき人は誰にでも求められます。属人的なものではなく、結果を出すためのスキルです。

従って若手であっても下位のものであっても「あるプロジェクト」「あるカテゴリー」においてはリーダーシップを発揮していかなくてはならない役割があります。あなたの領域においても、求められるリーダーシップは必ずあります。その責務を遂行することで、自らのリーダーシップを向上しなくてはいけません。

何か1つでも自分がリーダーシップを発揮できる分野を見つけることは、すなわちプロフェッショナルとしての存在をアピールする場でもあります。


外資系企業人事部長の部下へ宛てたHR LETTER「グローバル企業での働きかた」プロローグ・目次 に戻る

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?