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真夏の地中海沿岸ヨーロッパ旅の思い出Vol.4

前々々回からの記事に引き続き、夏休みのヨーロッパ旅行の記憶を綴っていく。
今回の記事は、Day7以降の記録。前回の記事は以下から。

Day7

アルルを去る日。二泊はあっという間すぎた。小さい街だったが、まだまだ見たい場所がたくさんあった。
AM8時頃の電車でマルセイユへ向かう。
マルセイユのサン・シャルル駅で下車。マルセイユはフランスの中でも治安が悪いみたいだけれど、今回の旅ではそれほど感じなかった。アフリカ大陸に近いため移民が多く、ヨーロッパの中でも特に多様な人種や宗教が共存している街らしい。今日の午後の飛行機でバルセロナへ戻るため、とりあえず駅前のロッカーにスーツケースを預けて街に出る。
駅の大階段は地味に楽しみにしていた場所。実際に眼の前にすると想像以上に迫力があり、全体的なフォルムがかっこいいと思った。
階段の全体像はこんな感じでかなり巨大。要塞みたい。
マルセイユは坂が多い。下ったり上ったりしながら海の方角を目指して歩いていく。
決して綺麗とは言えない路地が多いが、なぜか魅力を感じた。あまり小綺麗な街並みよりも、少しダーティーな感じのほうが適度な緊張感や意外性がある。
マルセイユはグラフィティが多く、こんな光景を至るところで見かける。ここまでグラフィティが多い街は僕の記憶にはあまりない。
中心街ではフランスらしい建築を目にする。路面電車が重要な交通手段になっているみたい。
映画の「TAXI」で見たような光景。車が石畳の上を走る際の音が心地良い。
こんな感じで、路面電車の駅をいくつか見かけた。
Googleマップに従って歩いていたら、グラフィティだらけの階段に遭遇した。圧巻だけれど、夜はあまり歩きたくなさそうな雰囲気。
階段がキャンバスのように埋め尽くされている。
反対側にも階段があり、同じようにグラフィティだらけだった。
薬物中毒者のような人に声をかけられたけれど、特に危険な感じはなかった。日中や夜の雰囲気はどんな感じなのだろう。
普通にウォールアートをしている人がいた。このエリアはグラフィティやウォールアートをしても問題ないエリアなのかもしれない。
実際アートだらけで、撮影をしている観光客もそれなりにいたので、もしかしたら観光名所なのかも。
さっきまでいたアルルに比べるとストリート感が強い街並みなので、ギャップが面白い。
海が見えてきた。やっぱり海のある街は独特の魅力がある。
アパートのような建物の壁に巨大アートが。旅行中は慣れてしまっていたけれど、写真で見ると改めて異様。
大きなマルセイユ大聖堂。パリにあるような大聖堂と比べても遜色ない大きさ。
今回のマルセイユ滞在は半日程度なので、あまり寄り道せず目的地へさっさと向かった。
マルセイユでどうしても訪れたかったのが、Mucem(ヨーロッパ・地中海文明博物館)という博物館。日本ではなかなか見ることができないような面白い展示をしているらしく、かなり興味を持っていた。ここに来るためにマルセイユを訪れたようなもの。
建築デザインが独特で、海側の壁がこのようなモザイク状になっている。常に潮風にさらされているけれど、素材は何なのだろう?
写真撮影スポットにもなっており、記念撮影する観光客もちょくちょく見かけた。
僕が訪れた際は大きく5つのテーマで展示されており、どのテーマも非常に興味をそそるものだった。またポスターのデザインセンスが本当に良いと思う。好みや感性の問題でもあると思うが、ポスターや広告で感銘を受けることは個人的には日本ではほとんどないので、視野が広がった気がする。
今回Mucemへ来た一番の目的である、ナチュリストをテーマにした展示。南フランスはナチュリストのメッカのようなもので、自分の人生とは交わることがなかったカルチャーなので、旅行前からとても楽しみにしていた。
日本でこんなテーマの上質な展覧会が開かれたなんて話を聞いたことがないので、南フランスの懐の広さに感銘を受けた。考えてみれば彼らは日常的に多様な人種と多様な文化を共有しながら共存しているのだから、物事に対する視点や常識も僕たちと違うはずだ。逆に僕たちが持っている彼らにはない視点やカルチャーはなんだろうと考えるきっかけにもなった。
Mucemで人気のあるパーマネントのコレクションを集めて再構築した展示も行われていた。
Yvon Lambertのコレクションとのコラボ展示も。枠にとらわれない作品が多数展示されており、新しい発見に溢れていた。
アメリカの象徴としてのSnoop Doggのポートレイトも。何でこんな所にいるんだ?といった感じで、苦笑いしている観光客が多く、皆写真を撮っていた。
地中海文化にフォーカスした展示もなかなか良かった。ヨーロッパだけでなくアルジェリアのようなアフリカ側の国をテーマとした作品もあり、面白かった。
ルーフトップは開放的で、レストランにもなっている。こんな気持ちの良いロケーションで食事をしたかったけれど、時間の都合上断念した。
建築越しに見える地中海が綺麗。天気が良いので最高だ。
椅子に座ってくつろぎながら、永遠に駄弁っていられそう。
橋を渡って別館へ移動することもできる。
橋の上からの眺めが良く、博物館越しにマルセイユの街を眺めることができる。港で泳いでいる人もいた。
無数の船。港町のマルセイユといえばこの景色のイメージ。
別館は広場のような場所をハブに、周囲を散策できるようになっていた。
ゆっくりしすぎて時間が足りなかったためほとんど鑑賞できなかったのが悔やまれるけれど、別館でも作品展示が行われていた。
急いで一通り周り、Mucemを後にした。やはりもっと旅程に余裕を持ってゆっくりと心ゆくまで堪能したかったと感じるが、また来る理由もできたので次回の楽しみにしておこうと思う。
預けていたスーツケースを取りに行くため、グラフィティを楽しみながらサン・シャルル駅まで早足で戻った。
帰り道では、朝は開いていなかった店がオープンしているのを見かけ、街が活気づいてきた雰囲気があった。
テラス席で過ごす人たちも増え、フランス語が飛び交っていた。海外旅行をすると毎回語学力不足を後悔する。フランス語はちゃんと勉強したいと思う。
少し寄り道してPorte d'Aixという凱旋門へ。フランスっぽい。
スーツケースをピックアップする際、ロッカーには荷物を預けたい人たちの行列ができていたので、早朝に預けておいて良かったと思った。その後空港まではバスで行こうかと思っていたが、バス停がどうしても見つからなかったので、急遽UBERを手配した。飛行機に乗り遅れたらいろいろとアウトな状況だったので、少し緊張感があった。
UBERの運転がかなり飛ばし気味で、予定していたより早めに空港に着き余裕があったので、空港内のPAULでランチを。一人旅中はパンばかり食べていた気がする。
バルセロナ行きの便に乗るためチェックイン。既にWEBで支払いを済ませていたにも関わらず、窓口で謎のチャージが追加でかかりあまり納得できなかったが、何も考えないようにしてすぐに忘れた。ヨーロッパの格安航空はこんな感じの追加チャージが何故かいつも出てくる。
マルセイユ空港は大きすぎず小さすぎず、食事する場所もあるという感じで、そこそこ過ごしやすい空港だと思った。マルセイユはまだまだ行ってみたい場所がたくさんあると思ったし、街を少し歩いただけで、想像していたよりも多くの魅力を感じた。
バルセロナへ戻ったが、観光名所が多いランブラス通り付近へ全く立ち寄っていなかったことに気がついた。今更ではあるが、Mercat de la Boqueria(ボケリア市場)へ行ってみたところ、非常に賑わっていた。
ハムを取り扱っている店が多く、市場感がある。
香辛料なども売られていた。どの店も店員さんの愛想が良い。
生ハムやチーズなどを食べ歩きしていたけれど、買うときに日本人だとわかるとどの店員も普通に日本語で喋ってくるのは少し興ざめで苦笑いしてしまった。まあでも、それもそれとして楽しむことにした。
バルセロナはフルーツが充実していた。やはり観光地だからか、値段はどの店も高め。買わなかったけれど、昔との変化を興味深く観察していた。
市場を一通り歩き回って退散。あまり気をつけていなかったけれど、ここは昔からスリが多いと言われているので注意するに越したことはないと思う。
市場近くのPlaça Reial(レイアル広場)にも立ち寄った。多くの人々で賑わっていた。
広場の一角ではパフォーマンスが行われており、ギャラリーが集まっていた。昔来たときもこんな感じのパフォーマンスが開催されていた気がする。
広場中央の噴水に腰掛ける人々。憩いの場的な感じになっていた。
レイアル広場にある街灯はガウディの初期の作品。Day2でバルセロネータ付近で見た街灯とは、若干デザインが異なるらしい。
一日の締めくくりに近くのお店でジェラートを注文して、座ってゆっくりしながら食べた。美味しかったので、ジェラートはこの旅でもっと食べておけばよかったと思った。

帰国

帰国日の早朝。宿からの景色。何事もなく無事に最終日を迎えた。
空港バス乗り場へ向かう際の光景。昼間はスケボーをする若者がいっぱいいたと思ったが、夜は飲み会をしていたらしい。
少し名残惜しさを感じつつも、空港へ。
チェックインを即済ませ、カフェで軽く朝ご飯を食べた。
バルセロナの空港ターミナルの様子。
フライトの時間までは混雑していないベンチを見つけて、外を眺めながら音楽を聴いたり写真を見返したりしていた。そう言えばRYANAIRは昔は格安航空として、ヨーロッパ内で移動する際によく乗った気がする。
行きと同様アブダビ経由で帰国。隣の席の人が大柄だったので、自席の1/3ぐらい占領されていた中で長時間フライトしたのが辛かったけれど、今となってはいい思い出だ。また時間を見つけて旅行をしたいと思う。

ヨーロッパ旅行の記録は当記事で終了。
旅行記を最初から読む際はこちらからどうぞ。

ではまた。

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