堀太一

(株)岐々志(きぎし)の代表取締役。陶器ブランド「泥々」を運営中。 絵を描いたり、器以…

堀太一

(株)岐々志(きぎし)の代表取締役。陶器ブランド「泥々」を運営中。 絵を描いたり、器以外の陶器の作品も作ってます。 あとデザインの仕事もやってます。 草鞋は沢山あって困るものではないと思い、非ミニマルな生活を過ごしております。

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自己紹介

はじめまして、堀太一と言います。 2024年4月現在、株式会社岐々志(きぎし)という会社の代表をしています。主に美濃桃山陶(志野・黄瀬戸など)をベースとした陶器を「泥々」というブランド名で製造~販売しています。 ここで、「主に」という接頭語が付くのには理由があり、それ以外にシステム管理の仕事とかデザインの仕事とか、絵や器を作りながら手遊びした粘土の作品も売っていたりするからです。 たぶん多くの方が首をかしげることかと思います。 ここで経歴を曝すと、もっとわけがわからなく

    • ビジネスの世界

      ろくに就職もせずに生きてきたので、いざ就職したときは驚かされることが多々あった。その中でも驚かされたのがビジネス書をよく参考に持ち出されるということ。まぁ別にそれは良いんだけど、ビジネスの世界の用語があるんだなぁ、という印象だった。 そして、それを知っていることが一人前みたいな風潮も世界には蔓延っているんだなぁと。 でもね、ひしひしと感じるのだけど、「やっぱりビジネスはやったらダメ」だと思った。面白くないから。大学生の頃、アルバイト先の社訓みたいなので、「楽しい人に人はあつ

      • 神のちから

        正直言って、ここまでくだらないものを読んだことがない。 最後まで読んでも何を読んだのかわからない。 一コマ一コマに注意を注いでみても全く無駄で何一つ役に立たない。 これはこの本を侮辱しているのではないことを注釈したい。 ただただ尊敬しているのだ。私自身、無駄なことが大好きで、昨今叫ばれる「生産性向上」や「一億総活躍社会」というものに嫌気がさしている。 だいたい世の中もなんでも「これをやる意味」だとか「目的はなんだ?」とか、なんでもかんでも因果論でつなげたがる。 この本は世

        • 友だちは無駄である

          友だちは無駄である 佐野洋子 2007年 ちくま文庫 女性のエッセイが好き。 この本の場合、エッセイというよりも対談。相手は谷川俊太郎。 別に何か特別なことを話しているわけでもない。佐野洋子さんにとっての友達とのかかわりを方々から谷川さんが引き出している。 「100万回死んだねこ」で有名だと思う。それも面白いが、エッセイもいくつも書いており、僕にとっては興味深かった。 この本のタイトルも「友だちは無駄である」というようにかなり棘がある。 私自身、いまだに人との距離感がつか

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          徴候・記憶・外傷

          徴候・記憶・外傷 中井久夫 みすず書房 2004年 どこかで中井久夫さんという精神科医の方が「微分知」について語っているという話を聞き手にとった。正直理解できているかというと微妙だし、すべてを読んではいない。でも、最初にある「世界における索引と徴候」という文章は、ものづくりする人におすすめしたいな、と思い紹介することにした。 理解が合ってるかどうかわからないが、微分知は言葉のとおり、ある曲線における任意の点の接戦をもとめるような感覚に近いのだと思っている。 最近はできて

          徴候・記憶・外傷

          生きのびるための事務

          生きのびるための事務 原作:坂口恭平 漫画:道草晴子 マガジンハウス 2024年 僕は大学を卒業して、しばらくフリーターをしていた。定職につくこともなく、ふらふらとアルバイトをしながら売れるかどうかわからない作品を作り続けてきた。塾講師にはじまり、美術館の事務とか、運送会社の受付とか、倉庫で発送される箱の仕分けとか。あとは思い出せないや。その後、何社か正社員という立場でも働いてみた。 共通して言えたのは、いわゆる事務職と呼ばれる人が会社を回しているのだ。 上手くいっている会

          生きのびるための事務

          愚者の道

          中村うさぎ 愚者の道 角川文庫 2005年 冒頭にこんなことを言っては身も蓋もないが、本当はマツコ・デラックスさんの「アタシがマツコ・デラックス!」を紹介したかったが、絶版で手に入りにくくなってしまった。 でも、でも?ますます中村うさぎさんに失礼極まりない言い方になってきたが、この本は僕の固定概念を砕ききった1冊です。木っ端みじんです。 この本は大学生の頃に出会い、最初は中村うさぎさんという人を関東ローカルTV・Tokyo MXで放送されていた「5時に夢中!」を見て知ったと

          愚者の道

          春宵十話

          岡潔(おかきよし) 春宵十話(しゅうしょうじゅうわ) 光文社文庫 2006年 百瀬さんにおすすめの本を紹介してみませんかと言われた。 「それは面白そうだ」と思ったが、際限なく出てきてしまうので、庭文庫にあった本からいくつかピックアップしてみようと思った。 というのも、全く同じとは言わないが、私が持っている本がいくつも庭文庫にあったからだ。 一度読んだけど、庭文庫で見つけてまた手に取ってしまったのは「春宵十話」。 初めて手に取ったのは浪人生の頃か、大学生の頃か定かではないが、

          春宵十話

          福島の牛

          どうも頭から牛が離れなくて作った。 晩にテレビを見ていると福島の牛が映った。 おっちゃんが世話をしてる牛だった。 どうも原発事故で被曝した牛らしく、「殺処分しろ」と誰かに言われているらしく、おっちゃんは最後まで世話したいと言っていた。 「こいつらは全部知っている」 あまりにも重いものを背負わされたと見たのか、背中に重りともストゥーパとも見えるものを、気づいたら乗せていた。 そして日本の牛にしては立派な角を生やしていた。

          私は誰?

          「全部いいよ」 以前は気に入らないものは捨てたりしていたけど、ここ数年はすてるのをやめた。 昨日の自分はもう他人。ずっとそうは思っていたけど、どこかでみとめていなかったのだろう。 ただ、それを続けていくと、だんだん空っぽになってきた。 個の喪失というのだろうか。 なにもなくなってしまい。やや不安がある。 でもそれも過去の自分として認めていく。 だれかと会うのも嫌になってくる。ましてや何年もあっていない人だと一体どうなってしまうのか。もはや他人の知り合いという感じで、誰と会

          がんばらない

          私は大学受験で2年間、浪人生活をしていた。 これを話すと美大に入るのに頑張ったんですね。といわれるが、浪人生活の内訳を話すと1年目は化学系の学部を志望し、2年目から美大の建築や工芸を志望していた。正直、美大に入ることができれば学部はなんでもいいや、くらいに思っていた。 2浪目からは、名古屋にある河合塾の美術予備校に通って、毎日デッサンやら立体構成やら、夜は水彩で色の研究をしてみたり、文章も書けるようにと小論文の講座も受講したり、学科試験の対策もしたり・・・と、やっていると意

          がんばらない

          煮詰まるとき

          煮詰まるときがある。 だいたい条件は決まっている。 それは、あまりに考えすぎた時。頭の中だけで色々考えすぎると煮詰まってくるという現象が起きる。 そんな時は、散歩してみたり、ぼーっとしてみるのも良い。 でも、一番良いのは、手を動かすこと。 絵を描いたり、ピアノを弾いてみたり、土を触ってみたり。 こうやって文章を書いてみるのも良い。 なんにせよ手を動かさないと考えはまとまらない。 かくいう私も考えすぎて、煮詰まった。だからこうやって書いてみている。 なにかを書きたいわけでもな

          煮詰まるとき