見出し画像

神のちから

正直言って、ここまでくだらないものを読んだことがない。
最後まで読んでも何を読んだのかわからない。
一コマ一コマに注意を注いでみても全く無駄で何一つ役に立たない。

これはこの本を侮辱しているのではないことを注釈したい。
ただただ尊敬しているのだ。私自身、無駄なことが大好きで、昨今叫ばれる「生産性向上」や「一億総活躍社会」というものに嫌気がさしている。

だいたい世の中もなんでも「これをやる意味」だとか「目的はなんだ?」とか、なんでもかんでも因果論でつなげたがる。
この本は世界を無意味という沼に放り投げてくれる。
「おくられてきた人の巻」では、ある日、夫婦のもとに上司から「ヤマモト」という人間が送られてくるという話がある。立派な「ヤマモト」だとかなんとか言いながら家の床の間に飾り、友人を呼び鑑賞を始める。最後には飾られた「ヤマモト」が足をくずし、皆でほほえましく笑っている。

だから何だというのだろう。

でもまぁ、この世界自体、意味があるんだか無いんだかわからない。

「にしやまがいるの巻」では、主人公の周りがどんどん「西山」になっていく。最後に主人公は「西山」に飛びつき、「西山」が主人公のなかにはいりこんで、「この世の全ては西山だった」と悟り、主人公の人格は消え「西山」になっていった。

確かに私という個も、あるんだかないんだかわからないから共感できなくもない。ちょっと意味深な、バッドトリップしたような話もある。

意味や目的とは違う次元に行きたい方へおすすめです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?