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友だちは無駄である

友だちは無駄である
佐野洋子
2007年
ちくま文庫

女性のエッセイが好き。
この本の場合、エッセイというよりも対談。相手は谷川俊太郎。
別に何か特別なことを話しているわけでもない。佐野洋子さんにとっての友達とのかかわりを方々から谷川さんが引き出している。

「100万回死んだねこ」で有名だと思う。それも面白いが、エッセイもいくつも書いており、僕にとっては興味深かった。
この本のタイトルも「友だちは無駄である」というようにかなり棘がある。
私自身、いまだに人との距離感がつかめていないのもあるが、友達というものがわからないでいた。べつにあれやこれや考える必要もなかったのはあとからわかったこと。

「友だちというものはお金になるわけでもなく、社会的地位向上に役立つものでもない。もしそのように友人を利用したら、それは友情とは別のものである。けっかとして友人があたえてくれるさまざまな目に見えるものみえないものがあったとしても、決してそれが目的ではない。」

世の中には「社長の妻だから」というだけで並々ならぬ信頼を持つ人もいるようだが、少なくとも私は損得勘定で人と付き合うのはごめん願いたい。
この本を読むまでは人との付き合い方にあれやこれやと逡巡していたが、別になんでもいいのか、と価値観をバンっと開いてくれた。

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