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🔴いつも大安吉日232 〜ぼくのはじめの一歩もくすぐられた好奇心からだった〜

【ぼくのはじめの一歩もくすぐられた好奇心からだった】

ひさしぶりなそうげんとふたりの時間

「センチの勉強したよー」
そうげんがうれしそうに言ってきた
センチの話しを何パターンかしたあとに、「そういえばそうげんの足って何センチなの?」と、ぼくはかかとの潰した靴を見て聞いた

人差し指と親指の間にできた空間を見せて、「これがだいたい1センチなんだよ」と、センチ素人のそうげんが言う
その「指ものさし」をづらしていって、「7センチだ」とうれしそうに言った

大工仕事でも畑仕事でも、長さや間隔を測るのにセンチはかなりの頻度で登場してくる
そうげんにも何度かメジャーを持たせて、材を測ってもらったこともある
ぼくはそうげんに説明しやすくなったし、そうげんは幅が広がることがうれしいだろう

あまり知らなかったことを、学校でともだちとたのしく興味をもてるように学べたこと
そんな好奇心をくすぐってくれたことが、ぼくとしてはかなりありがたい

🔴好奇心

はじめの出会いの印象は大切だ
好奇心をどうやってさらにくすぐるか?

ガミガミと「センチなんだよセンチ」なんて言われたら、センチになんて興味はなくなる
「なんでなんで」と、なんでもいつでも「なんで?」と聞いてくるこどもたちの好奇心は、時としてかなり面倒なことがある
「知らんわっ」と言ってしまうことがある

それは、ぼくがその「なんで?」を軽く見積もっていたことが原因だったのかな
そのはじめの一歩がたのしくスタートできれば、そこから広がる可能性はあがる

なにも考えてなかったら、ぼくらにとっては「ただのよくあるセンチ」を、「センチ勉強したよー」とうれしそうに話すようには伝えることはできなかっただろうな

あたらしい世界を知っていくはじめの一歩
それは、ぼくもドキドキしながらワクワクしているまさにいまある「好奇心」からなんだ

ぼくもそいつ大切に信じていこう

🔴みせる

好奇心は、はじめて見たものや知ったことから感じるだけのものではなかった
そんな場面を昨日は体験させてもらった

ぼくの住む佐久穂町にある、「森のようちえんちいろば」で餅つきをさせてもらった

来年度に向けてすぐ近くに建てている、あたらしい園舎の「棟上げ式」での餅まき用の餅を、園長のわたにーから頼まれていた
「どうせならいっしょに餅ついて、お昼はお餅食べませんか?」の話しにものってくれた

一式を軽トラに積み込んでちいろばに行った

何度も行ったことはなく、園児がいる時間に行ったのも二回目くらいだったかな
ぼくが到着してすぐに、「森に行ってくるー」と言ってこどもがどんどん出てきた
かわいいあいさつとキラッキラな笑顔を見た
それだけで「ちいろば最高じゃん」てなった

近くの森からたのしそうな声が聞こえてくる中、ぼくは火をつけて餅の準備をする
歩いてすぐの湧水を汲んでお湯を沸かす
標高1000メートルの澄んだ空気と水がうまい
板張りの古民家園舎と積まれた薪がいい

もち米のいい匂いのしたころに、こどもたちが森から帰ってきた
まずは白い餅からこねはじめた
「こね」はとても大事な作業で、熱いうちにやりたいからこどもたちはまずは見守り
しかし一応薪で区切ったラインを、やつらの好奇心は軽く飛び越えてくる
はじめに園長わたにーについてもらうと、こどもたちの「つきたーい、はーい」はさらにどんどん大きくなっていった

餅つき自体はやったことあるこどももたくさんいたし、ほとんどのこどもが知ってはいた
だけど、このこどもたちの食い付きよう
湯気を立てるもち米と、パワフルにつきあげるわたにーの姿を見ているうちに、興奮してきて「はーい」となったんだろうか
順番についていくともだちを見て、さらに盛り上がって「はーい」となるんだろうか

みんなの気持ちがもれなく入った餅は、つぎつぎにこどもたちのお腹の中に消えていった

ふた臼目の赤米をわたにーとつきあげる
リズムよくふたりでつくのもまたいい
紅白のめでたい餅を半分は食べて、半分はみんなのあたらしい園舎のお祝いにする

片付けも終わってわたにーと少し話した
園のいつもの中に、もっと暮らしを加えていきたいと話していた
ぼくも暮らしで大切にしていきたいことだ
地域の人とつながり、地域の山や水や土とつながることで、そこにあるものの大切さや愛おしさを感じながら生きていたい
なにかを「教える教育」の大切さもあるだろうけど、なにかを「みせる教育」や「感じてもらう教育」ってのも大事に思う

なにが正解かなんて、そんなことがあまり意味なくわからなくなったこの時代
常識とルールもどんどん変わりつづける時代
変化しないと生きられない時代
そんな時代にぼくら大人の思い込んだ「これだろっ」てのを、こどもたちに教えるってのは少しばかりナンセンスな気もする
それよりは「いろいろな生き方があるよ」ってのを伝えられたほうがいいと思ってる
だからいろんな大人がそれぞれに「これだっ」て思って生きてる姿を、こどもたちにたくさん見せてあげられたらいい
そこからこどもたちが興味をもったら協力してあげればいいし、さらに変化させる手伝いをしてあげられたらいい

暮らしの中にはたくさんのヒントがある
自然の中での暮らしならそれはさらにある
「人と自然の中で過ごす時間」
ぼくはそこをもっとしっかり見ていこう

ぼくがたのしく暮らしを整える姿で、こどもの好奇心をまたくすぐれたら最高だ

あたらしくなるちいろばがまた楽しみだ

🔴どうしたらやれるんだ?

夕方また学校でお話しをさせてもらった
学校の人にも保護者にも聞いてもらった
また乗り越えるべき壁が見えてくる
そしてすぐにいっしょに乗り越える策を考えてくれる仲間が現れてくれる

やっぱりぼくは進みたい
進みながらおもしろくなる予感しかしない
そして最高になるイメージがある

そこをもっとリアルにしていく必要はある
心配事をクリアにしていかないとならない
誰かを傷つけることがないようにする
そのために話しをするしかない
すべてをみんなに完全に理解してもらってから進めていきたい

「でもそんな完璧あるのか?」とも思う

ぼくは想いを明確にして
いまは動きつづけることしかない
相手とのバランスを意識しつつ、たくさんの人に会って話していくことが必要だ

「どんなカタチがいちばんいいんだ?」
そこを常に問いかけていこう


好奇心を忘れずに
好奇心を忘れてしまった人をくすぐって
ぼくはやっぱりやれることをやる

ではみなさん今日もめでたいいちにちを


五穀豊穣 子孫繁栄 
大安吉日や さかいひろし

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