見出し画像

言葉が舞い降りる時~「光る君へ」の感想~

毎週日曜の夜8時に楽しみに観ている大河ドラマ「光る君へ」ですが、8月18日放映の「月の下で」の回があまりに素敵だったので、感想を書いてみたいと思います。

中古の古典文学が好きで、また、今年の2月には所属しているFacebookの歴史グループから平安時代の共著本を上梓していますが、この大河ドラマはあまりに思い入れが強すぎてnoteに感想を書くことができずにいました・・。

第二十一回「旅立ち」の回の後、Facebookのタイムラインに投稿した感想が以下です。『枕草子』誕生を表したこの回は涙が止まらなくなるほど感動した回でした。

絶望というものを一度でも味わったことのある人はわかると思いますが、どんなに悲しくても泣いても眠れなくても朝は来るのです。

そしてふと目に止まった何気なく日常にあるもの…手入れしていなかった庭にいつしか咲いた野花だとか、暖かい日差しの温もり、子ども達の笑顔、湯気の立つお茶…などにホッとしたりフッと笑みが浮かんだりしながら、少しずつ絶望の淵から這い上がっていく。

癒しや希望は日々の生活や自然の中にあるのだと思います。

…昨夜の中宮定子と清少納言を観て泣けてしょうがなかったです。文学っていいなぁ。

「たったひとりの悲しき中宮のために 枕草子は 書き始められた」

(5月27日Facebook投稿)


*以下は大河ドラマ「光る君へ」X投稿より引用。


そして日曜日の第三十一回「月の下で」。
まひろと道長、月を一緒に見ながらの道長の言葉。
「誰かが・・今、俺が見ている月を一緒に見ていると願いながら 俺は月を見上げてきた。」(これを愛の言葉といわずして何を愛の言葉というのか!)
そして、道長に依頼された物語の構想を練るまひろに、色とりどりの紙が空から舞い降りる美しい場面。
・・今、言葉がフレーズが舞い降りたのだと思う場面でした。

創作活動をしていて言葉が、フレーズが舞い降りる瞬間・・noteのクリエイターの皆様なら覚えがありますよね。


*以下も大河ドラマ「光る君へ」X投稿より引用。


今回、第三十一回「月の下で」の対となるべく第二十一回「旅立ち」の感想も併せて掲載しましたが、言葉の力ってやはり凄いな、と思います。
私も、これからも言葉を遣って様々なことを表現していきたいです。

最後に手前味噌になりますが、2月に上梓した共著本『歴史愛好家のための日本の歴史~平安時代』より拙稿「紫式部と藤原道長ーそして、物語は残ったー」について。副題をつけるのにかなり悩んだのですが、紫式部の書いた『源氏物語』は人々の手により写され現在まで伝わっている反面、晩年に藤原道長が建てたという法成寺という豪勢なお寺は戦乱で焼け跡形すら残っていないことから「形あるものはいつかは壊れても、物語は人の心の中に生き続ける。」という意味を込めました。執筆の間、ドラマのまひろさんのようにたくさんの言葉がフレーズが舞い降りてきた、そんな作品です。ご興味ある方は手に取っていただけると嬉しいです。

最後に、取材で訪れた紫式部邸宅跡である蘆山寺と紫式部の墓の写真を掲載して終わりたいと思います。
今回も、最後までお読みいただきましてありがとうございました。


紫式部邸宅跡とされる蘆山寺。


紫式部と娘、大弐三位(賢子)の歌碑。


蘆山寺の庭園「源氏庭」。


京都市北区紫野にある紫式部の墓。


*2月に上梓した共著本の紹介記事はこちら。


*大河ドラマ「光る君へ」公式HPはこちら。


*京都、蘆山寺のHPはこちら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?