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たった2年で何ができる?


高校在学中にデビューした小説家、綿矢りささん。

今さらながら、そのすごさを感じている。作品はもちろんなのだけど、私は「デビューまでの時間」の方に着目する。

綿矢りささんは、高校二年生(17歳)の時に文藝賞を受賞した。

生まれてから約17年。文字を初めて書いたのが幼稚園だと仮定すると、4歳くらいで文字に触れてから文藝賞受賞まで約13年ほどである。その2年後には芥川賞を受賞することになる。

小説を書き始めたのは高校生になってからだそうだ。きっかけは太宰治の小説だったという。初めて物語を綴り始めた日から約2年で文藝賞に選ばれデビューした。

2年。わずか2年である。

高校生の2年間と大人の2年間では大きく違う。100人いれば育ってきた環境は100通りあるから好き嫌いはしょうがないと思うので一概には言い切れないが、小説執筆においては、それまでに生きてきた時間の中における経験・知識・語彙の総量で、高校生の方が物理的に不利だ。


・・・今回、「綿矢りささん、すごい!」ってことを書こうとしているわけではない。綿矢りささんのことをさらに細かく語ろうとすると確実にボロが出るので、できればこのへんでやめておきたい。綿矢りささんが約2年でデビューしたみたいに、私たちは約2年で何ができるのかという話にどうにかもっていきたい。

2年は結構あっという間である。

ぼーっと鼻をほじりながらポテチを片手にソファで横になっていたら2年なんて経っている。30代後半の頃、「30代のうちにやっておくべきなんたら」みたいな本を読み始めたら40代になっていた。もはや、その本は「30代にうちにやっておけばよかったなんたら」になり、人生を後悔するための一冊でしかない。

そんな瞬間的な2年間で人生を大きく変えるのは難しい。世の中に出回っている「人生が変わった体験談」は、成功者の体験談が目立っているだけで、実際ほとんど失敗で人の目に触れないところにある、と数人の誰かと数冊の本が言っていた。

ただ私が思うのは、人生は劇的には変わらないが、変えること自体はできるということである。

2年後、上場企業の社長になるのは難しい。2年後、直木賞を受賞してベストセラー作家になるのは難しい。2年後、吉岡里穂や志尊淳と結婚するのは難しい。2年後、米アカデミー主演女(男)優賞をとるのは難しい。2年後、総理大臣になるのは難しい。

しかし。

2年後、今より文章を書くスピードを2倍にするのは難しくない。2年後、今より体重を10kg落とすのは難しくない。2年後、今より友達を30人増やすのは難しくない。2年後、サザエの壺焼きを食べられるようになるのは難しくない。

現実味のない変化ではなく、現実味のある変化。いきなり変わろうとせず、ほんの少しずつ変わる。何かを継続してやり続ければ、2年後には想像もつかない場所にいたりする。一日一日を見れば同じ一日の繰り返しに見えるが、2年後に振り返れば2年前と状況が全然変わっていたりする。

やばい。そろそろ「何かを成し遂げるには近道なんてない。毎日の積み重ねが大事である」なんて、過去百万人くらいが言ってそうな当たり前のことを書いてしまいそうなので、そろそろやめたいが、やめ方がわからない。どうしよう。

真面目な話、他人から見たわかりやすい変化ではなく、自分自身でしかわからない変化でも、十分に人生は変わる気がする。例えば、手前味噌ではあるけれど、このnoteを2年間ほぼ毎日書き続けたらどうなるだろうか。他人にはわかりづらい変化だけど、自分の中に確かな手応えが絶対にあるはずだ。2年後には、ものの見方が変わり、考え方が変わり、話し方が変わり、朝起きた時の気分が変わっているかもしれない。

自分は、「書く」というアクションを2年は続けてみようと思う。毎日かどうかはわからないし、その場がずっとnoteかどうかもわからないし、正直自分がどこに行きたいのかすらもわからないけれど、「書く」がどこかに連れていってくれると信じて。

かっこよく話がまとまらないので、最後に自分の好きな名言を入れて、お茶を濁しておくことにする。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。


#エッセイ #人生


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