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2か月のアルバイトで気づいた、6つのこと。(1731文字)



   アルバイトの退職日が近づいてきたので、菓子折りを買いにデパートへ。
「お客様、お熨斗の表書きは何になさいますか?」
そうきかれて一瞬戸惑った。
熨斗で慶事用といえば、寿、お祝い、お中元、お歳暮に粗品。そうだ、お礼があったはず。

「"お礼″でお願いします」

そう。お礼しかない。感謝しかない。



 先週金曜ロードショーで放送された「プラダを着た悪魔」
何度か観ていた映画だけれど、メリルストリープ演じる容赦ない鬼上司ミランダ。
指示も態度も気分次第。気難しくて一方的。
今の女上司とまるで重なって、ほかのことはそっちのけにして見入ってしまった。


 先輩によると、彼女が原因で過去に辞めていった人は数限りなく、パニック障害、過敏性腸症候群、鬱になりやめていった人もいるらしいが、それでも社長すら彼女を頼りにしており、だれもが一目を置く存在。
そんなミランダかのような女上司のもとで働き2か月。

たったの2か月だけれど、クロテッドクリームのように濃厚な日々だった。


来月初旬に夫が上海に戻るため、わたしたちも戻れるようになり次第日本を発つ。
そのためわたしも退職を余儀なくされた。
かけがえのない経験を通し、いまとなっては感謝としか言いようのない期間。
そのなかで気づいたことを6つ記します。


〇自分の特性を客観的に知ることができた


自分の特性の中で、どうやら人の怒りに過剰に反応し萎縮してしまうことがありました。
怒りに怯えすぎず冷静に受け止めてみると、
上司からの叱咤、叱責の中には図星なところも。
そりゃあ「そこまでハッキリ言って委員会」状態でしたが、的を射ていると思うところは素直にうけとめました。

他には、人に温和で優しい印象を抱いてもらいやすいということも改めて感じました。


〇反面教師やお手本になる人と出会えた


忍耐強い人、聞き上手、気さく、協力的、慎重、批判的、感覚派、完ぺき主義、楽天家、統率者。
職場はあらゆる性格の見本市でした。


〇自分主体で頑張っていれば、とやかく言われても評価されなくてもさほど気にならない


やるべきことをコツコツ黙々とやっていた日。
たまたま立ち寄った社長が、自分のことを評価してくれていたとしりました。
「評価されなくてもいいけれど、やっぱり評価されることはうれしい」と素直にありがたい瞬間でした。


〇コンスタントに収入を得ることの大変さとありがたさ


夫がお給料を稼いできてくれることは、ともすれば当たり前になりがち。ありがとうです。


〇どうしたって合わない人や理解できないひとはいる

「話し合えばわかりあえる」
「どんな人にだって、好きになれるいいところはある」

小さな希望をもって、相手を理解しようとトライするたびに、ことごとく落胆してきたこの2か月。
どうしたって夢見がちだった自分。
いつものように、木っ端みじんに打ちひしがれたある日、
「嫌ってもいい」とそんな許可をだしてみたところ、途端に肩の荷がおりました。

「人は嫌ってはいけない」といつのまにか自分にタブーをだしていたのかもしれません。

ただ、もう大人ですから。
嫌な気持ちはあっても態度にはなるべく出さないように努めました。
それは不誠実でも偽りでもなく、社会でともにいきるためのすべとして、相手のため、自分のためになるルールだと信じて。

かつては、嘘偽りや裏表のない率直な態度が正義だと信じ、
上司への反発をあからさまにした振る舞いで別の職場にとばされたことも。
そんな自分も今となっては愛おしさで笑えるほどになりました。


〇悩み、苦しみ、もがいたことで改めてヨガや瞑想、読書から得られる良さを実感


3分でも5分でも、朝のひとときに自分のために時間をつくって、心と体にむきあう。
そんなほっとする時間を一日の始まりにもつことで、その日の過ごし方が断然かわっていたように思います。

ヨガや瞑想で癒され、力をもらう。
読書から気づきやヒントをいただく。

そんな風にして、もともと好きだったものの良さを改めてひしひしと感じました。
というわけで、上海に戻るまではしばらくヨガ講師として、地元で単発レッスンをやっていきたいと思っています。



今月退職する日が偶然にも自身の誕生日と重なりました。
逃げずに頑張った自分にとって、何よりのプレゼントかもしれません。


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