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言葉の定義がわかるとスッキリ!(1207文字)



去年の今頃からだっただろうか?
気が付くと一年ほぼ毎日欠かさず続けている「調べ事」


 上海で暮らす日常での余暇にヨガ哲学や解剖学、中国語の勉強をマイペースで始めたのだけれど、するとあれれ?なある現象にぶち当たる。

「ヨガスートラ第一章・全てが止滅することから、無種子三味がある」


何かを調べても、その語釈の意味がわからない。

「橈側手根屈筋」「踵骨」「縫合」など、読み方すらわからないものも多々ある。

 

 そうしてもっぱら、「知らない言葉」や「意味が曖昧な言葉」を調べるようになったのだけれど、これが楽しいのなんの。
落ち着くというか、モヤ~っとした視界がクリアになるような、何とも言えない気持ちよさと安心感がじわ~っと胸にひろがっていく。

例えば、


「今日って何日かな、わからない~な~」
だと、モヤモヤしたまま。

それが、

「今日って何日?」
今日は2020年10月1日木曜日。
今年は今日が中秋の名月なんだ~。
中秋の名月っていうのは、旧暦で8月15日。お月見をする日か。じゃあお月見しながらお団子でも食べようか♪

となる。



「ネット検索」や、「ググる」が普及するはるか前から人々の拠り所になっていたのはなんといっても「広辞苑」だろう。


 初版刊行は1955年。
前身である辞苑の刊行は1935年(昭和10年)。
どんな時代も頼もしくて頼りになる親方のような存在であってきた、「広辞苑」
そしてその生みの親である編纂者・新村出博士。
 その博士の住居が今は新村出博士の記念財団になっており、京都の下鴨神社や京都御所からも徒歩圏内。
資料閲覧や見学もできるというのを知り、早速訪れた。

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 木戸孝允邸を移築したという住居には、広辞苑の各版、各刷、それに改定作業の後や印刷工程を示す貴重な資料の数々がびっしりと並ぶ。
 中でも一瞬目を疑うほどの、おびただしい数の付箋がはられた広辞苑は改定作業の凄まじさをものがたっていた。

 恥ずかしながらわたしは「見学の方は事前にお知らせください」とのHPにあった文言を見逃しており、突然訪れてしまったのだけれど、失礼な訪問者に対しても財団の方は貴重なお時間を割き丁寧に案内と説明をしてくださった。


 詳しい解説をきき、新村出氏のこだわりや偉業に触れることができ、素晴らしい時をすごすことができた。
 帰宅後にメモした意味を調べることもまた同様に愉しい時間だった。
新村出記念財団 重山文庫



 「調べると気持ちいい」この感覚ってなんだろう?と思っていると、日本語教育学の専門家・斎藤孝さんがご著書の中でこんな風に述べておられた。
まさにしっくりくる表現だったので引用させていただくと、

「言葉の定義がはっきりすると、頭が整理されてことの本質が見えやすくなります」

ストンと腑に落ちる「調べる作業」
腑といえば内臓。
私は消化酵素がしっかりあるようで、どうもするすると体外に排出されていってしまいやすい。
これからも補給し続けていきたいものです。


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