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夫婦13年のよそいきモード。(860文字)



夫の帰国から5日。
寝不足続きなのは、興奮と緊張の非日常生活のため。
目の下にクマが居座り、いつも以上に頭もまわらない。
それでも、あくびはでず、目は冴えっぱなし。


私は毎食、張り切って何品も小鉢を食卓にならべ、
夫は頼まれなくても掃除機をかけてくれ、家はピカピカ。


13年目の夫婦間でも、よそいきモードになるほど、10か月って意外に長かった。



離れていた間、電話もメールは毎日。
それでもつながっているのは日常のほんのひと時。
つかの間のコミュニケーション。
一緒にいるのとは全然ちがう。


緊張といっても、カチコチに固まったり、ドキドキしたりはしない。
居心地いい状態。
ハレとケなら、ずっとハレ。
「喉乾いた?自分で欲しいもの飲んでや~」
ではなくて、
「コーヒー、お茶、何飲む?ジュースもあるよ」




10か月あれば息子の背は10センチのびる。
生まれたてのハムスターも、9か月あれば人間の32歳ほどになるらしい。
あっという間にすぎた日々は緊張を生み出すほど、長かったよう。


最後の一週間「やっといつも通りだね」なんてなりたくない。
夫が戻る前日、後悔がないようにしよう。


平日の昼間にゴロゴロ、なんていつもなら罪悪感。
だけど息子が学校にいっている間、時間を決めて二人でゴロゴロ。
ただ畳に寝そべり、目的のない会話をする。
小心者の二人にとって、贅沢なTime killing.


そんな時間をつくったのもあり、昨日は久しぶりにぐっすり眠る。
頭もクマもすっきり。
「いつも通り」は、もうすぐそこ。
「大皿料理ドーン」もすぐ。

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いつも一生漫画をよんでいる彼もテキパキ宿題を終わらせる。
おやつも少しだけ。
よそいきなのはみんな同じ。
そして1年半ぶりのランドセルがうれしくて、家でも背負いながら漫画をよむ。


3年暮らしていた上海。
無人レジが主流になり、レンタル自転車はmobileから美団に。
地下鉄が伸び、バスの車両は一新。
上海にもどっても最初はハジメマシテのように緊張するんだろうな。
でもあっちはいつだってよそいきモードじゃない。
いつだって上海は自然体。
こっちもつられてすぐ元通り。

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