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七夕・夫婦のラブストーリー。(837文字)



これは、七夕にちなんだ私たち夫婦のお話。

じゃあ先に寝るね。おやすみ~

昨晩のこと。夫とギュッとハグして、寝に行った。すると不思議な夢をみた。

 突然グリーンジャイアント風の巨人が私の目の前に優しくそびえたっている。
 その知らない巨人の暖かい笑顔に親しみを感じた私は巨人にだきついた。
 おちないように、木にしがみつくコアラか、もりの洞くつでトトロに出会い、おなかに寝るメイちゃんのように。
 「ドクドクドク」耳をすませば、巨人の腹部から心地よい大動脈の拍動が聞こえる。
 目を閉じて聞き入っていると、黙っていた巨人がいきなりツッコミをいれた。
「いやいや~。その抱きつきかた、おかしいやろ」
至極真っ当なツッコミに思わず吹き出し、二人一緒に大笑い。



 ぁあ 夢か。


 夫とハグして寝たら、こんな不思議な夢に変換されて出てきた。
横にはすごい寝相でぐっすり眠る息子。
 息子の向こうには巨人から元の姿にもどった、身長173cmの夫。
そして毎晩時計の針のごとくクルクルと回転する息子は、何度目かの回転で眠る夫のわき腹をキック中。

いってらっしゃい。世界で一番だいすきだよ○(息子のなまえ)。

昨日玄関で、こころをこめて学校へいく息子を送り出すつもりが、

いってらっしゃい。世界で一番だいすきだよ○○


しっかり息子の顔をみながら、なぜか夫の名前をよんでしまう。
息子は、「お父さんじゃん…」と苦笑い。


 夫が仕事へいくときは、朝の学校支度や家事に手をとられ、見送りどころか、ろくに顔をみないときもある。
 今朝はすべての手をとめて、思いを込めながら仕事へ行く夫を見送ろう。


いってらっしゃい。


 夫の嬉しそうな顔は、夢であった巨人の優しい笑顔そのものだった。


そういえばきのう綾子、寝言言っていたよ。「すごい!」とだけ言って、また寝たよ。


何の夢をみていたかは内緒にしておこう。



はてと?これはラブストーリーでしょうか?
はい。べたな愛情表現は照れくさくて苦手な、わたしなりのラブストーリーです。


 巨人専用の爪切りは戦艦のごとく。

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