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『伝統医療でGo !』クルクメール@カンボジア

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伝統医療リソースを活用し、医療アクセスの悪い地域で最低限の医療を受けられない人々の医療環境と健康増進を目的に実施されましたカンボジアでの国際協力「伝統医療普及事業」を通じて、伝統… もっと読む
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【伝統医療でGO!#09】 #定期的にブームは来ている?#伝統医療の近代史をふりかえる#時代は未だ来ない

【伝統医療でGO!#09】 #定期的にブームは来ている?#伝統医療の近代史をふりかえる#時代は未だ来ない

と、励まされたのが30年前。だけど、待てど暮らせど、そんな時代は未だやって来たのを見たことがない。ってな感じで、よくボヤいているわけです。

でも、数十年の単位で、伝統医療や自然療法が取り上げられている様子を見ていると、まあ確かに「伝統医療」は何らかの形で、定期的に話題になっているのかなあとも思うのです。

◼︎ 1960年代 ナチュラル志向の誕生一般の人にとっては、漢方や伝統医療って常に現代科学

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【伝統医療でGO!#07】 #「最後の名人」鍼灸の師匠!#90歳・伝統の真髄 #生涯現役

【伝統医療でGO!#07】 #「最後の名人」鍼灸の師匠!#90歳・伝統の真髄 #生涯現役

◾︎ 現役引退!?

海外生活を始めてから数十年の私ですが、一時帰国の際のルーティンとしているのが、東京五反田への訪問です。正しくは、JR五反田駅近くにある山下鍼灸院の山下健先生への訪問です。

長く鍼灸の現場で活躍されている山下先生を、「最後の名人」と業界ではヨーダ級に扱われている、知る人ぞ知る臨床の達人であります。

コロナの期間、2年間帰国ができずご無沙汰したのですが、再び指導を請いに訪問を

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【伝統医療でGO!#06】 #伝統医療で平和構築 #知的文化財産としての取り組み #セクター別「平和構築」の例

【伝統医療でGO!#06】 #伝統医療で平和構築 #知的文化財産としての取り組み #セクター別「平和構築」の例

■ アジアに広がる伝統医学体系歴史上で「世界三大伝統医学」と呼ばれるものがありますが、それら全てがアジア広域には存在しています。中国大陸東部を中心とした中国伝統医学のグループ、2つ目には、南アジアから派生したアーユルベーダー医学グループ、そして3つ目には、インド洋を経由したイスラム圏のユナニ医学です。

各国が自分の国の名前を冠につけ、タイ伝統医学、ベトナム伝統医学、韓国だと韓流のようにハン伝統医

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【伝統医療でGO!#05】#持続可能なプロジェクトを目指せ!#地方の学校に薬草園を設置した時に考えたこと

【伝統医療でGO!#05】#持続可能なプロジェクトを目指せ!#地方の学校に薬草園を設置した時に考えたこと

■ 持続可能なプロジェクトをめざせ!
以前にカンボジアの僻地の学校を舞台に、クルクメールと呼ばれる現地伝統薬の専門家と一緒に実施した「学校の薬草園」プロジェクトでしたが、今回新たに、田舎の9つの学校で実施していこう!というタイミングで記事を書いています。

伝統医療に特化したプロジェクトでしたが、以下の2点に注意してプロジェクトをデザインし、進めました。

1. 「薬草園」設置が機能的であり、現地

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【伝統医療でGO!#04】#カンボジアの伝統医療の実際1 #内戦時代に活かされた伝統医療

【伝統医療でGO!#04】#カンボジアの伝統医療の実際1 #内戦時代に活かされた伝統医療

■ パラリンピックを見ながら思う
オリンピックに引き続き、パラリンピックが盛り上がっています。海外ではテレビ中継の制限があって、なかなか臨場感を感じることが難しいのですが、もっぱらYoutubeで観戦しています。

開会式から泣かされっぱなしです。

日本に比べて、海外ってあまりオリンピックで盛り上がらないんです。ましてやパラリンピックになると、国から出場する選手がニュースに取り上げられるくらいで

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【伝統医療でGO!#03】長崎原爆慰霊の日#地雷の国から薬草の国へ#伝統医療の現場から平和を祈る

【伝統医療でGO!#03】長崎原爆慰霊の日#地雷の国から薬草の国へ#伝統医療の現場から平和を祈る

■ ラジオ視聴はこちら
■ 76年目の「原爆慰霊の日」
大盛況だった「東京オリンピック」が閉会しました。
そして今日8月9日、長崎では76年目の「原爆慰霊の日」を迎えています。

私自身がですね、長崎市内の出身者で、被曝者の祖父をもつ被曝3世としては、毎年この日を特別な日という思いで迎えています。

今回の東京オリンピックには、残念ながら全体的に放映権の関係で、海外では視聴することが出来ませんで、

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【伝統医療でGO!#02】カンボジアの伝統医療師クルクメールとの出会い#これは伝統医療なのか⁈

【伝統医療でGO!#02】カンボジアの伝統医療師クルクメールとの出会い#これは伝統医療なのか⁈

■ ラジオ視聴はこちら■ 突然のカンボジア赴任35歳になって大学4年をスキップし大学院に進学できました。卒業した翌月に急遽、日本財団がASEAN事務局やWHOと開始していた、途上国の最低限の医療サービス、いわゆるプライマリーヘルスケアを、各国にある伝統医療と人材を活用して高めよう、というプロジェクトに参加させていただけることになり、カンボジアに初訪問しました。

そもそも日本財団の伝統医療事業で

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【伝統医療でGo!#01】#一週遅れのトップランナー#伝統医療王国カンボジア

【伝統医療でGo!#01】#一週遅れのトップランナー#伝統医療王国カンボジア

◾️ 伝統医療を署す
このマガジンの記事は、著者が2014年4月から2019年4月までにカンボジアの月刊フリーペーパー「Phnom」に連続寄稿した「伝統医療でGo!」という連載記事を下に、鍼灸師・柔道整復師という日本の伝統医療従事者としての立場でコメントをしていきます。

そもそもフリーペーパーの投稿が始まった経緯については、元朝日新聞マニラ支局長で、フリーペーパーの編集長・木村文さんに、本誌の巻

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