万年筆回顧録『羽毛のタッチ』第五回
五、KING OF 万年筆 パイプ界には、「いつかはダンヒル」というフレーズがある(僕はシャーロキアンなので、パイプ煙草を嗜む。ちょっとしたパイプコレクターでもあるのだ)。その言葉を万年筆に置き換えるとするなら、「いつかはモンブラン」ということになるのだろうか、――そう言えば、ダンヒルとモンブランには共通点がある。どちらも本業(ダンヒルなら煙草、モンブランなら万年筆)を疎かにして、ファッションブランド化してしまったという点において(それもその筈、モンブランはダンヒルに買収され