GIGAスクール構想について
こんにちは、旅人先生Xです。
今回は、近頃、話題にもなっているGIGAスクール構想を受け、現場がどのように変わっていくのか、想定される成果や課題は、どういったものかについて、自分なりに考えてみたいと思います。
GIGAスクール構想ってどんなものなの?という方には、ぜひ読んでいただきたい記事です。【約5000字と少し長めの記事になってしまいましたので、目次をご活用ください】
実際に、もう色々な変化がある学校もあると思いますが、当方の職場はまだ変化なしなので、これからどう変化するのかについて焦点を当ててみたいと思います。
目次は以下の通りです。
① GIGAスクール構想とは?
画像は、文科省HPより
私が書くより、画像の概要を見ていただいた方がすっきりするかもしれませんが、一応個人的な解釈を書いておきます。
多様な子どもたちが公正に個別最適化された学びを受けられるためのICT教育環境の整備を行って、子ども・先生の力を最大限引き出すというのがGIGAスクール構想だと解釈しています。
そのために、一人一台の端末とネット環境の整備を行うというイメージです。
ざっくり説明するならば、GIGAスクール構想は、子ども・先生の力を発揮させるためのICT環境整備といえそうです。【解釈を間違っていたらすいません】
画像からもわかる通り、環境の整備により、今まで以上に、「一人ひとり」の意見や考えを生かした活動を充実させやすくなります。
詳細は、割愛しますが、この環境整備のために、予算が割かれたり、補正予算がついたりとお金の動きが結構あるようです。
ICTの環境と活用状況については、実際、エリア単位、学校単位でみても、差があるのが現状で、特に活用状況は、先生達一人ひとりの意識によるところが大きいと感じています。
環境の整備が推進されていく中で、どういった変化が起きてくるのか考えてみたいと思います。
② 現場で起こる変化
下記の3つの変化は当たり前の変化ですが、現場では、それに伴って、かなり多くのことが変わると思います。
1 子どもたちが、一人一台の端末を所持することになる
これがコンセプトなので、当然の変化なのですが、これが一番大きな変化です。
PCを手にすれば、それぞれの興味のあることを自分で自由に調べたり、好きなだけ学んだりとその気になれば、かなり多くのことができるようになります。
まるで、一人一台の端末は、ドラえもんのポケットを一人ひとりがもっているかのようです。
そうなってくると、大切になってくるのは、道具の使い方でしょうか。
情報リテラシーをはじめ、適切な使い方等、子どもに伝えたほうが良いことは多くありそうです。
しかし、子どもたちが、様々な可能性を発揮する土台としては、一人一台の端末というのは、とても画期的かつ有効なものになると私は思います。
2 一人一台の端末を前提にした授業や活動
子どもが一人一台の端末をもっていることを前提に考えを展開していくことになります。
情報機器の活用という今まで一種のアプローチにすぎなかったことが、環境のベースになったということが大きな変化です。
教員自身が、PCを持つことでどういったことができるのか、どういったことを従来の教育活動に取り入れていくのが有益なのかということを考えていくことが重要になってくると思います。
このようなことは、現状ではあまり考えられていなかったことです。
子どもたちの能力が伸びていくようにするために、どういった工夫をすればいいのか考えるという点に関しては、今まで通りではあります。
環境に合わせて、柔軟に思考、実践していくことがより求められるような状況に変化していくことになりそうです。
3 アナログベースからデジタルベースの活動へ
今、学校では、連絡用のプリントの配付から、児童間の連絡、ほとんどが、紙媒体を用いて、アナログに行われています。
それが、一人一台の端末とネット環境によって、デジタル化されることになると思います。
これもかなり大きな変化です。
デジタル化されることによる弊害もおきるかもしれませんが、それ以上に、享受するメリットは大気いのではないかと思います。
③ 想定される成果
想定される成果は、たくさんあると思いますが、これは大きなぁと感じるものを2つほど挙げます。
1 一人ひとりの考えや思いを大切にできる
授業や日常では、どうしても発言したり、交流したりする時間の限界を感じる時が多いです。
特に授業では、みなさんも、「色々な意見を聞きたいけれど、時間がない」ということをしばしば感じるのではないかと思います。
一人一台の端末とネット環境の整備によって、それが大幅に改善されます。
使うツールやその使い方にもよりますが、今まで以上に、意見の集約や交流の機会を効率よく行ったり、増やしたりすることが可能になると思います。
これは、一人ひとりの考えや思いを引き出していくことがしやすくなるということです。
GIGAスクール構想による環境の整備は、それぞれの考えや思いを大切にした教育活動を実現させていく上で、とても有効で、価値のあるものだと言えるなぁと感じています。
2 時間の有効活用ができる
教育活動がアナログベースからデジタルベースに変化することで、今までロスしていた時間を有効に活用できるようになるはずです。
例えば、連絡一つにしても、電子化して、それぞれが任意のタイミングで確認できるようになるので、かなり改善されると思います。
委員会活動や他学年の子とのスケジュール調整も端末とネットを介して行えるので、大人だけでなく、子どもも時間を使いやすくなるのではないかと思います。
特別教室の使用や物の貸し出し等もデジタル化されれば、アクセスは楽ですし、日程などの共有も今より容易になります。
効率化することを挙げていたらキリがないですが、効率化によって、時間が生まれることは、間違いありません。
その分で浮いた時間を子ども一人ひとりに寄り添う時間に充てることができると思うと、とても嬉しい気持ちになります。
とにかく時間がないという状況は、GIGAスクール構想の環境の整備によって、大幅に改善され、時間が有効に活用できるようになるのではないかと私は思っていますし、心底、願っています。
④ 想定される課題
一人一台の端末とネット環境の整備によって生まれる成果があると同時に、そこには、多くの課題も生まれてくると考えられます。
私が心配している2つの課題をここでは挙げておきます。
1 格差の深刻化
誰一人取り残すことなく…という言葉がGIGAスクール構想にはあります。
どの子も、公正に個別最適化された学習を受けられるようにするというのは、とても大切なことだと私も思います。
しかし、目を背けてはいけないなと感じるのは、一人一台の端末とネット環境の整備による格差の出現です。
やはり、自宅にも自由にいじれるPCやタブレット等があり、アプリなどの操作の経験もたくさんある子と家庭にそうした環境のない子では、差が出てくることが想定されます。
ある程度時間が立てば、差も縮まると思いますが、いざ慣れて、活用をしようとなった場合においても、環境の違いによる差は、確かに存在するのではないかと思います。
そこに、どういったアプローチやフォローを実際にしていくのかは、大きな課題になりそうです。
そうしたことを想定して、学びたい子や工夫したい子が学び続けられるように環境の整備の段階から意識しておくことが大切ではないかと思います。
また、試行錯誤しながら、よりよい環境の活用について考え、改善し続けいくことも、こうした想定される格差と向き合っていく上で、極めて大切ではないかと私は感じています。
2 教員のキャパオーバー
教員が、変化についていけずに、キャパオーバー状態になるというのは、最もあり得そうで、かつ恐ろしい課題だと思います。
PCやネット環境に慣れている人なら大丈夫かもしれないのですが、慣れていない方々にとっては、かなり苦しい変化になるのではないかと感じています。
研修などで、フォローの体制は作るのでしょうが、それでも、大変なことに変わりはないと思います。
ノウハウのシェアをしたり、活用のガイドラインを整えたりしながら、負荷が過剰になりすぎないように、配慮していくことがとても重要ではないでしょうか。
「できない」「わからない」ではなく、「どうしたらできるか」「どうやったらわかるか」という考えにシフトして、その経験を子どもと接する際に生かしていけるようにしたいものです。
また、子どものトラブルの多様化も想定されるため、今まで以上に、同僚と協力していく必要がありそうです。
⑤ 準備しておいた方がいいこと
楽しみなことも不安なこともありますが、そうしたことに想像を膨らませながらも、今できることややっておいたほうについても考えるべきかと思います。
ここでも2つほど、私がやっておいた方がいいのではないかと思うことを挙げてみます。
1 「こんなことがしてみたい」の整理をする
せっかく環境が大きく変わり、できることも増えますので、この機に色々なことを試さない手はありません。
最初の方にも書きましたが、PCは、ドラえもんの道具のように色々なことを可能にしてくれます。
それぞれが「こんなことしてみたい」と考えることは、効果的な活用が生み出されたり、子どもの成長に繋がったりすることに直結すると思います。
普段の実践をしたり行動を振り返ったりする際に、「これは~できないかな?」とアンテナを張ることで、アイディアも出やすくなると私は思います。
アイディアを準備して、整理しておくことで、実際に導入された時に、スムーズに行動に移しやすくなるはずです。
そのため、今のうちから、「こうしたい」という考えを貯めて、整理しておくことが望ましいと思います。
2 情報機器の扱いより、扱い方の情報収集力を鍛える
苦手な人も得意な人も新しい環境になり、知らないことや分からないことがでてくるはずです。
今のうちから、勉強をして、精通しておくことも大切だとは思います。
しかし、それ以上に、分からないこと等をどう解決するかのスキルを高めておくことが大切だと私は考えています。
そして、そのスキルは、そのまま子どもへの助言や指導に生かせると思います。
子どもたちも分からないことだらけです。
魚を与えるのではなく、釣り方を教えるという例えがあります。
それに倣って、答えを教えるのではなく、答えの探し方を伝えるように私たち自身も意識をしていくのが大事だと私は考えています。
まずは、自分がそうしたことを実践して、習慣にしておき、来るべき導入の時に備えるのが良いと思っています。
言うのは簡単ですが、やるのは大変だと思いますが、これはしておくべきだと私は強く思います。
⑥ 最後に
以上、長くなってしまいましたが、GIGAスクール構想についてでした。
GIGAスクール構想ってなんなの?と思っていた人が、少しでも「あぁ、こんな感じなのね」とか「こういうことが起こるかもしれないんだ」と思っていただけたなら嬉しいです。
教員の方は、「どうしよう…大丈夫かな…」と不安になる人もいると思います。
確かに、今まで以上に、経験等を問わずに、力を合わせていくことは、大切になってくるのは間違いありません。
それぞれがリソースを生かして、互いに、尊重しながら、仕事に向き合っていくことさえ忘れなければ、きっと変化にも対応できると私は思っています。
課題は多いかもしれませんが、教育の環境が変わって、できることややれることが増えるのは、とても嬉しいことです。
不安な気持ちも大きいですが、それ以上に、ワクワクします。
多分、強敵と闘っている時の、悟空くらいワクワクしてます。
今まで、環境が…と思っていたことも可能になることが多いはずですので、力を合わせて、子どもたちと更に成長していければと思っています。
一緒に頑張っていきましょう。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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