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心に残るnote作品集

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エッセイや日記、写真、漫画など、出会えてよかった、素敵なnoteを集めてみました。さまざまなジャンルのクリエイターの皆さんに感謝をこめて。マガジンをつくる前に読んだ素敵な作品もた… もっと読む
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記事一覧

応援と感謝の気持ちを伝えようと思ったら

 医療従事者に拍手を、の輪が世界に広がっている。最初にこのアイディアを思いついて実行した方たちが素晴らしい。  と思ったら、現実には「拍手よりマスクを」とのタグが出ており、あららと、いったんこの記事を下げた。  そりゃそうだわね。  きれいごとではなく、現実はそうだ。拍手してどうなんだ。  とは言っても、何もできない私のようなただの人は、気持ちを伝えるしかできない。    昨日の朝、家事をしながらだったのできちんと観ていなかったけど、どこかの国で、病院の清掃員が、自

写真を撮る人へ。

知人の子どもにカメラを貸した。まだ小さいから大きなカメラが重たそうだ。その子の親は、俺の商売道具であるカメラを壊すんじゃないかと心配そうだけど、カメラなんてただの機械だからどうでもいい。 そんなことよりも、カメラを手にしたことでその子がキラキラした目をしてコーヒーカップや観葉植物や犬の置物を、いつもと違う目で見つめる姿を見るのがうれしい。ピンボケや変な構図の写真を笑いながら見るのが楽しい。 写真は自分が撮りたいものを撮ればいい。誰の言うことも聞かなくていい。機械の操作がわ

チェコの藍染め工房へゆく

10月のちょっと冷え込む日、「ストラージュニツェ」という街に降り立った。スロヴァキアとの国境にほど近い、チェコのモラヴィア地方の街だ。 もう、駅からして可愛すぎる。駅は改装の真っ最中で、この建物も新しくペイントされたばかり。 ホテルまで歩く道すがらに、駅と同じもようが入っているお店を発見した。 壁面にはモラヴィア地方の伝統紋様が描かれている。ちょっと可愛すぎるな…。 店名は"Vino Botur"だが、大きく書かれた"Vinoteka"の文字が目立つ。 Vinotekaは

行きたいところに自由に行ける喜び

社会人2年生の息子が、通勤に使っている自転車。 息子は肢体不自由なので普通の自転車は運転できません。そこで障害者用のものを、息子の障害に合わせて特注で作ってもらいました。 作って下さったのは、東京・足立区にある堀田製作所です。 今から10年ほど前、息子が中学生になった頃、この堀田製作所で息子の自転車を作ってもらいました。 この出会いには、とても不思議ないきさつがありました。 ある晩、夫の夢に知らないおじいさんが出てきて、「この子に自転車を買ってやってほしい。」と言わ

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会社の人に垢バレしてたはなし

ダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機 なぜ船に入って一日で追い出されたのか(岩田健太郎先生の動画から文字起こし)

▼2020年2月18日に公開された神戸大学教授の岩田健太郎先生(Twitter)による「ダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機 なぜ船に入って一日で追い出されたのか」と題した動画についての文字起こしを行いました。 ▼結論から言えばとても深刻な内容です。テキストのコンテンツもぜひツイッターやFacebook等SNSでシェアをお願い致します(筆者) ▼Here's English Ver.(英語版はコチラ) Translation of what he said i

大切な人との永別を実感させてくれたのは距離だった

今年の夏、おばあちゃんが亡くなった。 血の繋がらない父方の祖母。昨年のちょうど今頃書いた「ハイカラおばあちゃんと紅茶」というエッセイに出てくる。 本当にハイカラさんだった。損得考えず思ったことをズバズバ言う性格には時々困らされたけど。 夫と娘に先立たれ、少しずつ弱っていったおばあちゃんは、父母が同居する自宅と病院と介護老人保健施設を行ったり来たりしていた。一人で歩けなくなってからは施設で過ごすことも多かった。 * 「お知らせしときます。おばあちゃん、いま病院です。今

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水色ともちゃんと統合失調症

人生の舵を切った あの日あの数時間の出会い

看護師が第1志望ではなかった。 たとえ人生を決める決断をするときでも、何かに魅せられて心にストンと入りこんでしまえば考える時間なんて必要ないのかもしれない。 高校3年生も終盤にさしかかり、今まで通りの進路でいくと決め、家庭の事情で私立も道外も視野になかった私は、国立大学ひとつしか受験校を提出していなかった。それを担任が心配し、滑り止め、もしくは場慣れのためでもいいから何校か受けたらどうだと言ってきた。 しかし国公立の志望学部が当時の北海道にはそこしかなかったのだ。志望でも

あまりにも遅いけれど

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フライバーグ病になりました(2/3)

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宮沢賢治『黄いろのトマト』

僕は結婚ができない。

めずらしく、とてもプライベートなことを書く。ずっと書こうか悩んでいたテーマだ。なぜ今書くのかということに明確な理由はとくになく、夜中の4時に眠れないので、せっかくだから書いてみようと思った、という程度のことでもある。 僕は結婚ができない。結婚をしたくない。 いつの間にやら35才になり、それなりの身分を持つようにもなり、「どうして結婚しないんですか?」と聞かれることがたくさんある。実にたくさんある。 だけどその質問は、まったくリアリティのない異国からやってきた質問に聞こえ

セイウチ@食肉目セイウチ科