「自己肯定感が低い」って褒めればいいってことじゃないはず
(写真は散歩をしていて見かけた名前がわからない植物:2020年7月撮影)
この四月から「教育アドバイザー」なる肩書きを拝命して学校教育の現場に関わらせて頂いています。
外国語(英語)教育を手始めとして、教職員の「指導力向上」のお手伝いをさせて頂いています。
「ひとづくり経営コンサルタント」の私と「学校教育」に何の関係があるのと思われるかもしれません。
どうしてこのような事になったのかは、別の機会にでも取り扱うとしましょう。
「学校教育現場」に入ると「子ども達の自己肯定感が低い」という言葉を関係者から伺うことが多いように感じています。
自分が高いと思う人も、低いと思う人も、ご一緒に「自己肯定感」について考えましょう。
そもそも「自己肯定感」って?
一言で言い切ってしまうなら
「自分の存在や存在意義を肯定できる感情」
とでも言いましょうか?
WiKipediaをチェックしたら、こんな定義でも結構あってるなぁと思いました。
自分が今ここに存在していることを否定しない(つまり肯定する)感情。
そして、自分の存在がただ存在しているだけじゃなくて、何らかの意味があると思う感情。
その両方とも自己肯定感と言えると思います。
Wikipediaによると
自尊心
自己存在感
自己効力感
自尊感情
などと同じ意味でもちいられることがあるとあります。
また、「あらゆる肯定的な心理的要素」を表現する言葉担っているとの指摘もあるようです。
一つだけ英語のお勉強をいれますね。
自己肯定感はWikipediaでは、「self-affirmation」としています。
self-:自分自身で
affirm:認める、断言する、肯定する。
となると「自分自身で認める」となります。
「self-affirmation」だと「自分で自分を認める」ことなので、少し異なる感じがします。
「self-acceptance:自分で自分を受け入れる」の方が近いような気がします。
高いとか低いとか
「自己肯定感」は、あるか、ないかで語られるよりも、高い、低い、強い、弱いで語られます。
つまり、ゼロか100かということではないのです。
誰でも自分自身の中に「受け入れがたい」とか「肯定しにくい」または「好きになれない」ところが少しぐらいはあると思うのです。
それが60%肯定、40%否定が基準値で、それよりも肯定が低くて否定が高ければ、「自己肯定感が低い」。
逆に肯定が60%以上なら「自己肯定感が高い」という訳でもないですよね。
ですから、ある意味、高いとか低いとかは比較によって相対的な感じ方なんだと思います。
他者との比較がベースにあるとすると、自己嫌悪に陥りやすくなるのかもしれないな、と想像しますよね。
自己嫌悪があるということは、自分の存在に対して「嫌悪」という否定的な感情を持つわけですから、どこから低くなるのかは別としても「自己肯定感」は低くなりやすいと思えます。
また、高い・低い、強い・弱いは、固定されているわけでもないように思えます。
もちろん数分間で高低や強弱が入れ替わるほど、めまぐるしく変わるのではないとしても、ずーっと同じでないようです。
つまり、低いと思っても変わり得るということです。
日本人は低いの?
国が調査をしています。
「今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~」という内閣府の先進7カ国における若者調査でこんな数字が出ています。
日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの中で日本は、先進7カ国と比較して「自己肯定感」が低いと関連づけることができそうな結果をいくつか上げてみましょう。
自分自身に満足している
自分には長所がある
将来への希望(61.6%)
幸せになっている将来のイメージ
家族に愛されている感
これは余り低くないですよね。
その他の調査項目もあわせた報告はこちら↓
「自分自身に対する満足」が著しく低く、これは「謙譲の美徳」を文化とする日本特有の答え方とみることもできなくないはないですし、逆に「向上心」が高いために、今の自分ではダメた!と思ったと説明ができるかもしれません。
自分には長所がないと考えていて、満足していないとなると、やはり自分自身を肯定できていないのかなと思うのです。
どうするの?
それではどうすれば良いのでしょう?
一つだけ私が感じていることを共有させて頂きますね。
自分自身の現在を良く思っていても悪く思っていても、それを受け入れることが大切。
自分の長所と思う部分だけでなく、短所だな、直したいなと思う部分についても、現在の状況を受け入れるということです。
こんなんじゃだめだ!と現況に目をつぶってみたり、自分を拒絶してみたり、人にバレることを恐れて隠していたり、ということではなく、平常心で今いる場所を一旦受け入れることが、必要だと思っています。
このような客観視こそが、その人を成長へと向かわせるスタート地点なのです。
様々な人の成長に関わって思うことは、自分の現況を受け入れることのできない人は成長しない、ということです。
人はスタート地点からしか、前進できないからです。
ここからスタートしたかった、こんなところにいてはいけない、こんな自分はうけいれられない、そう思っている人は、成長に向かってスタートを切れないのです。
スタート地点に立たなければ、どれだけ優れたプログラムやプロセスであっても、前進できませんよね。
皆さんが現時点での自分を受け入れて、更に「最高の自分」を目指して成長の一歩を踏み出されますように!
最後までお付き合いありがとうございます。