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2人をバイリンガルに育てた秘訣とは?

(写真は猿が温泉につかる長野県地獄谷温泉:2016年2月撮影)

バイリンガルの二人の子は、息子は28歳、娘は26歳になりました。

息子は結婚して米国で地球物理学博士課程に席を置きながら、研究をしています。

娘は日本で通訳・翻訳を教えています。

以前の投稿で二人がバイリンガルであることについて書きました。

しかし、簡単にバイリンガルに育ったことに軽く触れただけでしたので、原則について今回改めて紹介いたします。

子どもの自慢をするつもりも、親として自分たちのやったことをひけらかそうと思っているのでもありません。

子どもをバイリンガルに育てようと思っている方はもちろん、バイリンガルにかかわらず、人を育てようとする方であるなら、誰でも学び取るものがあることを願っています。

親の決断

父親の私は日本生まれの日本育ち、100%日本人。学校での英語の成績は至って平凡で、5を取ったことはありません。

一方、母親は応用言語学修士を取得して、日本で英語教師の養成やカリキュラム作りに携わってきた米国人です。

母親について説明すると「あ〜なるほど」と言って、ほとんどの方はそれ以上、話しを聞こうとしません。

確かに母親がネイティブであることは、子ども達がバイリンガルに育つに際して大きな要素です。

しかし、在日外国人の両親の元に生まれた子ども達が、日本語と両親の言語のバイリンガルに育っていないケースや、外国で子育てをする日本人の両親の子ども達が、日本語ができなくなるケースを少なからず見聞きしますので、自動的なものではありません。

私たちのケースでは、子どもが生まれる前に子ども達が、日本と米国のどちらでも活躍できるようバイリンガルに育てることを決めました。

子ども達は自分でバイリンガルになることも、どちらか一方の言語を選ぶことも幼少期には決断できません。

親ができる事は、子ども達の為に環境を整えることだと思います。

私たちは環境を整える決断をして、途中で決断を変えることはしませんでした。

学習者のために「環境を整えること」が、最も重要な学習支援の一つである。

教育内容や教育方法より、「学習環境」を整えることの方が大切です。

言語の場合は特にそうですが、どのような学習についても同様であると思います。

成人学習の場合、学習者の主体性が重要ですから、学習支援者は「環境整備」に力を注ぐことが重要になります。

学習者への信頼

私たちの場合は、日本の上下関係とそれに対応する敬語等を子ども達に身に付けてもらうために、義務教育を日本の学校に就学することを決めました。

小学校5,6年生で英語のインターナショナル・スクールに転校し、その後英語による教育を受けたため、小学生の様な日本語しか話せず、日本語で書かれた文章を読むことができない人が少なくない現状を見たためです。

中学3年生までは、日本語で教育を受け、高校生から英語に変更し、大学教育は米国ですることを決めました。

高校で英語にスイッチできるように、母親は日本語を話すことができるのですが、子ども達には、生まれてからずっと英語しか使って話さないようにしてきました。(父親である私は日本語を話していました。)

生まれたときから、2つの言語を習得しなければならないのだから、スパルタ教育だったのでしょうか?

子ども達への負担が大きかったのではなく、母親の方が努力しなければなりません。

親が日本語と英語をごちゃ混ぜにして幼少期の子どもを育てると、「言語干渉」が起こってしまい、日本語、英語それぞれの習得にかえって悪影響が起こってしまいます。

毎夏休みに母親の実家に里帰りすることで、英語しか通じない人々との交流によって、英語を使ってコミュニケーションをとる理由が実感されていたことも助けになったと思います。

子ども達がこのような環境の中で、高校から学習言語を英語にスイッチすることが簡単だとは思いませんでしたが、充分対応できると考えていました。

子ども達の言語習得能力に対する信頼というか、バイリンガルになるだろうという確信がありました。

学習者の「学習能力を信頼すること」が、最も大切な学習支援の一つである。

期待された通りに人は成果を出す傾向があることを「教師期待効果」とか「ピグマリオン効果」と言います。

教育する人が学習者に対して「ダメ出し」をしてしまうことで、学習者の学習に悪影響が起こるわけです。

無理だろうとあきらめることで、学習を妨害してしまうことがあるのです。

それぞれの興味

二人の子どもは同じようにバイリンガルになったわけではありません。

親も同じように同じペースでバイリンガルになる事を期待しませんでした。

息子は「文字」に興味を持っていました。幼稚園児の頃から、文字に興味を示していました。

娘は「文字」には興味を示さず、「音楽」に興味を持っていました。

ディズニーのアニメーションの歌やアメリカの童謡を何度も聞きながら、一緒に歌っていました。

その後も、二人が無理に興味のないことをさせようとはしませんでした。環境を整え、それぞれの興味を大切にしながら、困難な時にもそれぞれが求める支援をしてきました。

学習者の「内的な動機づけを動力とすること」が、学習効果を高める

外的な動機づけによる学習よりも、内的な動機づけによる学習が効果は高いのです。

そして、内的な動機づけは人によって異なるのです。

学習支援者は学習者の内的動機を洞察して、学習支援に活かすことで学習効果を高めることができます。


良き学習支援がなされますように。

最後までお付き合い下さりありがとうございます。




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