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読んでもらえると嬉しい作品まとめ

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これまで書いたうち、自分の中で許せる作品を纏めています ・未完結だが表現に凝った→春雷 ・短時間の割に書けた→我が闘争 ・評価の良かったエッセイ→語尾の話 ・一瞬で読める→短編4…
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2019年3月の記事一覧

語尾の話ー「〜しちゃった」と「〜してやった」が実は表裏一体の心理だということ

〜しちゃった。

自分の些細な行動のあらゆることをどこか後ろめたく思ってるのか、私は、ツイッターや話してるときなど語尾に「〜しちゃった」ってつけ「ちゃう」。

口癖、もしくは書き癖に気付いた時はめっちゃショックだった。自覚なかったけどなんかこれすごい後ろ向きな根暗みたいじゃん!!!
くそ〜っ、今度から、そんな外部的不可抗力に負けて行動していつも後悔してる人間みたいな語尾はやめて、自発的意志によって

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春雷  (一)

 春が来た。

 雷鳴を轟かせながら降下してくる雷鳥達が月あかりに照らされて白銀の翼をはためかせた。月世界との交易が始まって5年。八ツ代ノ岳(ヤツシロノタケ)は二星間の貿易拠点として陽春の候、精華なる狂乱の様相を呈していた。月世界と交流があるのは2月〜4月の薄桃色をした空気の日に限られており、従って今日のようにうららな夜は次々と、その澄み切った空気を引き裂いて天の雷鳥が舞い降りる。

 ここ八ツ代

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星の欠落

「全然気づかなかった。」
女の子は、悄然と呟いて洞窟の地面を見つめた。そこにはボロボロに引き裂かれてしまった影があった。ランタンの灯に照らされてゆらゆら揺れ動いている。
氷の世界、炎の世界、土の世界、空の世界と女の子は無謀な冒険をしてきて、それでもまだ足りずに地下洞窟の世界に乗り込んだところだった。沢山ある世界達の中でも一等危険と言われる所。
無謀な彼女を『怖いものなしのジョバンニ』みたいに巨大な

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