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daily and diary

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にちじょうの、にっきです。
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2018年9月の記事一覧

微睡タイフーン

昨夜から一気にドバーーッと轟音を立てながら雨が降ったり、風が雨戸をごんごんごん、と鳴らしたりしていた。 台風である。 直撃はしなかったものの、なかなかの迫力がある台風であった。今まさに台風が通り過ぎている所もあるだろうから過去形にするのは早すぎるのだけど。 この影響で仕事がお休みになり、久方ぶりに惰眠を貪った。朝、連絡などを負えて二度寝につき、気付いたら正午を大きく過ぎて13時を迎えていた。 昔から寝てばかりいる人間で、学生の頃なんて本当に良く寝ていた。いつかの日記にも書

いっせんおくえんの罰金ね

小学校の社会科かなんかの授業で「日本には一億数千万人という人が住んでいるんですよ」という事実を聞いて、初めて自分が住んでいる国の輪郭が見えたような気がした。 そこから、自分が住んでいる県には何人、市は何人…とズームアップしていき、自分を中心にした円の中の人間の数を(ただの数字的な認識でしかないにせよ)把握した。それはものすごく漠然とではあるけれど、世界の輪郭を掴んだ気にさせたのだ。 億、という単位は自分の身に近いものには使わない単位であったから、それがえらく楽しかった記憶も

嘘をつく

10年以上前の『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』を聞いてる。 その中で、「ムチャぶり」というコーナー…というか、流れがある。有田さんが上田さんに、「上田さんって○○なんですって?」と無茶な振りをし、上田さんがそれに全力で乗っかるというものだ。 言うなれば「嘘トーク」である。嘘を積み上げていき、その嘘の発想や困っている姿を笑うというものだ。 とても面白い流れなのでとても好きなのだけど、それを聞きながらぼんやりと思う。 嘘つきには、種類がある。 上田さんは話しながら嘘

『調べる 聞く どっち』【検索】

↑、素敵なイラストだなぁ。色合いが好き。 そういえば、こんなことがあった。(そういえばの使い方おかしい) ある日、姉が産んだ娘の体調が芳しく無く、心配した母が「病院行った?」と姉に聞くと「調べてみたら大丈夫みたいだからまだ(行ってない)」と返した。母は慌てて「そんな!素人判断は危ない!些細なことでもいいんだから病院連れて行ってあげて!」と言ったのである。 インターネットを使用して、疑問をすぐに調べられる時代になった。それも、パソコンではなく小さいスマホという端末が普及して

月が今日も綺麗でした。

お世話になった知人(知人、て言葉は少し距離感があって嫌だけど)のお通夜に行ってきた。 ご病気ではあられたものの、お元気な姿が記憶に残ったままだったからショックで、遺影の笑顔を見てるとなんとも言えない気持ちになって、泣いた。 ぼそぼそ、と読経する住職の声を聞きながら、父のことを思い出していた。父の通夜、葬式のことを。 あの2日の間に色んな方々がかけてくれた言葉や家族との会話、色んな人の仕草、色んな人の涙。 通夜の晩は眠れなかったこと。 葬式の日の朝刊に載っていた父の名前。 火

写真で押し切る

書くことがハンパねぇレベルで浮かばねぇので、写真をぽんぽん貼りつける投稿にしようそうしよう。 彼岸花と猫じゃらし。 つい数日前まであんなに暑かったのに、ちゃあんと季節は変わるのだなぁと驚くというか、感心する。しょくぶつのちからってすげー!である。 彼岸花。 真っ赤すぎるくらい真っ赤で、不気味だなぁと思ったりする。形もなんか強そうでこわい。 やっぱり信号もそうだけど、赤色を見ると危険と思ってしまうように出来てるのだろうな、とかなんとか。 中秋の名月。 昨日ダメ元で外に出て撮

うすいピックが教えてくれた

このところギターを弾いてるとやたら4弦が切れる現象が起きていた。ずっとその理由を掴めずにいたのだけど、仮説を立てた。 ぼくはピッキングが強いほうなので、単純に「力が強い」のではないかと。6弦や5弦は押さえるコードによっては弾かない事があるのだけど、4弦に関してはほぼ必ず鳴らす弦であるので、その強い力が1番当たるのではないかと。 ずっと使い続けているお気に入りのピックがあって、そのピックでなければ自分好みの音が鳴らせないゆえに、頑なにそのピックを使い続けていた。しかし、何度

Nikki0923.

大崎善生さんの「アジアンタムブルー」という小説を読んだ。 ずーっと前に装丁とタイトルが好みで買っていた本だけど買ったまんまアホみたいに寝かせてて、やっと読めた。 それだけ寝かせて熟成させてたからか、ものすごくいい作品だった。どんな話か全然知らずに読みはじめて、どんどん世界に入り込んで行った。途中まで読んでたのを、昨夜一気に読んでしまった。気付いたら深夜の3時を過ぎていた。 そんな風に読書に夢中になって迎える深夜の時間が、なんだか好きだったりする。暗すぎるくらい暗くて、静かす

いま空がきれいです

空を見るのが好き。 風向きや気温なんかでころころ変わる雲のようすを見ているだけで楽しいし、癒やされる。 そしたら次は雲の形状や状態を詳しく知りたくなる。 なぜ雲はあんな風な形なのか、なぜあんな風な模様を描いているのか。そして、そういう雲が出来たときは気候などにどういう変化があるのか。 そういうのを勉強して知ることが、楽しい。実生活でそんなに役に立つものでもないけど、別にそれを目的としてるわけじゃないし、それでいい。 昔、「トリビアの泉」というテレビ番組内の「トリビアの種」と

くるりのはなし。

高校生の頃。 日本の音楽なんて殆どがしょうもないわ、なんて酷く青臭い間違いを抱えたまま、イギリスのロックに夢中になっていた。 そんなクソみたいな間違いは友人が聴いていた中村一義の「ERA」というアルバムを真似して聴いて、強制的に正された。 そして、僕が聴き漁っていたイギリスやアメリカのロック・ミュージックを日本という国のミュージシャンたちはどう解釈していったのか、というのを掘り下げる期間に入っていった。 くるり、というなんとも力が抜ける名前をしたバンドに出会うまでにそんなに

ミスチルがこわい。

2000年代の初頭、姉がCDレンタル屋(当時はTSUTAYAでさえなかった)から借りてきたアルバムをダブルデッキのCDラジカセでカセットテープにダビングし、聴いた。 サーッというホワイトノイズの後に流れ出したその曲のイントロを聴いた瞬間、脳のどこかが目覚めるような体験をした。 脳は電気信号の伝達により構成されてるというけれど、その時の僕の脳内では、ハッキリと目に見えるくらいの電撃が走っていたのではないかと割と真面目に思う。 そんなことがほんとにあったら死ぬだろ、というマジレス

Zanzou。

子供の頃、目を瞑るといつでも異次元を旅行出来た。 夜空に漂う美しいオーロラのような赤や黄色や白、極彩色の光の帯が四方八方から現れては消え、消えては現れて、僕を闇の奥の奥へと誘った。 ドラえもんが、のび太の机の引き出しに飛び込んでタイムマシンに乗ったときに見える時空の壁のようなものを彷彿とさせる、どこまで行っても終わりのない空虚とも言える暗闇と光。それは、何かを掴んでおかなければそこに落とされもう二度と浮上出来ない末恐ろしさを感じさせた。だから僕はしばしば、ぎゅっと自分の身体や

SNS時代のバタフライエフェクト。

今朝目が覚めたとき、唐突に「フォローするのを怖がらない」という言葉が脳内を駆けた。noteの、日記のタイトル及びネタである。そんなふうに、いきなり頭の中をかすめた言葉から日記を書くことも多いから、そのまま頭の中で文章を書き書き、朝の支度をしていた。 フォローするのを躊躇う癖がある。noteに限らず、Twitterなんかでも。 自分が良いな、と思った人に自分の存在を認知させる。つまり、通知を与える。通知を受け取った相手は僕のプロフィールなりタイムラインを見てどうするかを査定す

彼女はつよく餅を踏む。

本日9月17日は、姪っ子さんの記念すべき一歳の誕生日であった。 一年前、予定日よりもずいぶん早く産まれた彼女を病院に赴き見に行くと、信じられないくらいの小さい命がそこにあった。指先には小さいながらもきちんと爪があったりと、人間をぎゅぎゅっと凝縮したようなサイズの生き物がいた。彼女はまだ良く見えていないだろう瞳を朧気に開けながら小さく小さく、呼吸をしていた。なんだかその姿は、存在を、総てを、世界に赦されているように見えた。 父は自身の初孫である彼女を溺愛した。 「買い物に行