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嘘をつく

10年以上前の『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』を聞いてる。
その中で、「ムチャぶり」というコーナー…というか、流れがある。有田さんが上田さんに、「上田さんって○○なんですって?」と無茶な振りをし、上田さんがそれに全力で乗っかるというものだ。
言うなれば「嘘トーク」である。嘘を積み上げていき、その嘘の発想や困っている姿を笑うというものだ。
とても面白い流れなのでとても好きなのだけど、それを聞きながらぼんやりと思う。

嘘つきには、種類がある。

上田さんは話しながら嘘を構築し、なるべく矛盾が無いようにしていくタイプである。慎重派。もちろん芸人さんのトークであるから強引なところとか突飛な部分もあるけれど、実際はとても嘘が上手いタイプなのでは、と思う。

反対に有田さんは、とりあえず思いついた嘘を並べていくタイプ。たから最終的には嘘が散らかってしまうのだけど、それを自身で上手く繋げ、笑いへと変えていく。めちゃくちゃなぶん、こちらの方が爆発力があったりもする。

どちらも好きだし、やはりふたりとも頭がいいなぁと思う。たかが嘘だけど、この嘘というのこそお笑いの核心でもあるから、面白い人の中には嘘が上手い人が多いのでは、と思う。だけど嘘が上手い人が面白い、とは違うからやっぱりお笑いって難しい。

本当の嘘つきは、嘘を本当に変えていく力を持ってたりする。それは、相手を騙す前にまず自分を騙すことが出来るからだと思う。
自分がついた嘘をまず自分が信じ、信じた嘘から見えてきた光景を話す。それで、嘘がとてもリアルになる。

そう、本当の嘘つきがついた嘘には「信じる」という矛盾した感情が乗っていて、だから「本当のこと」がどんどん曖昧になっていくのだ。
本当のことは、本人しか分からない。
もしかしたら本人にさえ分からなくなっているのかもしれない。
もしかしたら、本人にとっては本当のことなんてどうでもいいのかもしれない。

嘘つきって、そういうものなのだと思う。

ぼくも、相当な嘘つきであると自負している。
これまでどれだけ嘘をついてきたかな。くだらない嘘なんてしょっちゅうつくし、小狡い嘘もたくさんついた。息を吸って吐くくらい当たり前に。

よくないなぁと思う。
でも、それも嘘かも。

嘘をつき過ぎると、本当のことが嘘にまみれてものすごく霞んで見える。

ああ、本当によくないなぁ。

せめて、笑える嘘だけつくような人でいたいな。
いや、それも良くないか。笑

#日記 #雑記 #エッセイ

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