マガジンのカバー画像

介護施設について考える

15
自分の両親、親族がお世話になっている介護施設。いつかは、自分もお世話になるかも知れない介護施設。  超高齢化社会に生きる者にとって、介護施設について考えておくことは大切なことだと…
運営しているクリエイター

#職員

パノプティコン(panopticon)-介護施設の課題Ⅰ‐1

パノプティコン(panopticon)-介護施設の課題Ⅰ‐1


(1)パノプティコンとしての介護施設① パノプティコンとは

 介護施設を考える際に外せない概念が 、パノプティコン(panopticon;一望監視施設)です。介護業界でパノプティコンという概念がもっと広く認知されれば良いと思っています。

 このパノプティコンとは、イギリスの思想家ジェレミ・ベンサム[1](Jeremy Bentham)が考案したもので、監視塔から監獄のすべての部分が見えるよう

もっとみる
「業務日課」至上主義とは何か-介護施設の課題Ⅱ-1

「業務日課」至上主義とは何か-介護施設の課題Ⅱ-1


1.「業務日課」至上主義とは (1)膨大な業務量-介護のお仕事-

 介護施設において、職員が行う業務には当事者への直接的介護業務と、施設での生活全般を支えるための間接的な業務とがあります
 直接的介護とは、食事介助、入浴介助、排泄介助、着替え介助、整容介助、移動・移乗介助など当事者にふれる介護業務です。
 そして、間接的業務には、配膳・下膳、義歯洗浄、歯ブラシや歯磨き用カップやストローの洗い・

もっとみる
制服の功罪 介護施設の課題 Ⅲ-4

制服の功罪 介護施設の課題 Ⅲ-4


1.制服の効能 多くの介護施設で職員はユニフォーム・制服(以下「制服」という。)を着用しています。制服とは、ある集団に属する人が着るように定められた服装で着用の義務があるものです。制服着用は規律の一種で、警察、消防等の公的または準公的な組織では制服を用いることが多いでしょう。

 制服は職員にとっては、「私は仕事で介護しているのであって、プライベートで介護しているのではありませんよ。」と、介護職

もっとみる