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固めのプリンに誘われて

卵がたっぷりの

とろとろ系じゃない

しっかり固めのプリンが好みだ


“す”が入っているのも ひとつの愛嬌で

それも味のひとつだと思っている


固いプリンは

甘いものが得意じゃないぼくのことも

サラっと誘ってくる

まさに魔性だ


体が本能的に

“飲んではダメ!”と言っているコーヒーまで

2杯も飲ませて

『ねぇ、わたしって美味しいでしょう?』

なんて余裕しゃくしゃくな

プリンの囁きまで聞こえてくる

まさに魔性だ


『とろとろ系とは違うの。

そっちがいいなら、選ばなくていいのよ。』

相手を落とさないけれど、

自分も決して落とさない


『浮気してもかまわないわ。

たぶんあなたは帰ってくるんだから。』

自信しかない でも認めざるを得ない


『好きなんでしょ?ふふっ、知ってるわ。』

魔性の固プリンの誘惑に

ぼくは大抵勝てない


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