満たされた日々の隙間に
僕の実家は、田舎とも都会とも言えないような地味な首都圏のはずれの街にあって、僕は市内の普通の公立高校に通っていた。
高校生3年生になって初めて彼女ができた。元気で明るくて、優しくて、ありのままの僕を受け入れてくれて、そしてそれを好きだと言ってくれるような素直な子だった。僕にとってとても大切な存在になった。
その頃は受験期のさなかであったので、毎日一緒に帰り、たまにサイゼリヤなんかに行って、たらこソースシシリー風を食べながら勉強をしたりした。そんな何気ない時間がとても愛おしかっ