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小さな気づきが転がっているかも【全方位読書案内】

最近、読書を習慣にすることを心掛けている。

そこで、ただやみくもに本を読むよりも、ある程度指針があったほうがいいなと思い、まず「読書案内系」の本を数冊読むことにした。

その中の一冊、齋藤孝 著「『何から読めばいいか』がわかる全方位読書案内」という僕の願いをまるまる叶えてくれる本に出会った。

齋藤孝さんといえば、フジテレビの番組「全力!脱力タイムズ」でもお馴染みの教育学者である。

ただ、結論から言うとこの本を読んで一番心に残ったのは「この本を読もう!」ではない別の気づきにあった。

日本文化観を知るというテーマで「能」を扱っていた一節で、

「舞台で、立っているということは、能の場合、前後左右から無限に引っ張られているその均衡の中に立つということなのだ。」
『心より心に伝ふる花』

これを実際に「前後左右から無限に引っ張られているその均衡の中に立つ」ということを意識してみると、確かに身体感覚がしっくりくるのだ。

面接とか厳かな場での身体の所作に役立つなぁと感心した。(まあ、実際の場では緊張で忘れてしまったりするんだけど)

また、「弓と禅」という本の紹介で、書かれていた一節も感銘を受けた。

弓とは、意識して弓矢を離すものではない。自然に離すようにしなければならない~(中略)~無心になって弓を引き絞ったとき、満を持して熟した果実が落ちるように、矢が的に向かっていった。

「私が矢を放つ」のではなく、「矢が離れる」

この感覚がなぜか腑に落ちた。頭で理解するのではなく、心で理解するとはこういうことかと感じた。

これを会話に応用してみると、

静寂の中、話しかけるのが苦手だったが、

この話を読んでから「自然と言葉が離れる」という感覚を持つと、話しかけるときの不自然さが少しマシになった。(ほんの少しだけどね)

読みたい本を探すのが目的だったのに、それとは違う身体感覚の気づきを得ていた。

これが「セレンディピティ」というものか。

目標をただ一つに絞って追いかけるのも良いけど、寄り道して得られるものもある。

今日もおつかれっす!!

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