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スーパーで育った野菜!? サステナブルな都市型農業「infarm」

こんにちは。SWAQ TOKYOのさちです。
最近、よく行くスーパーの一角に突如謎の栽培ボックスが出現

ボックス内ではハーブが育てられており、家庭菜園が好きな私は毎回植物の成長を覗き見ては、一体何が始まるのだろうかとワクワクしていました。

数日後、栽培されていたボックス内の野菜やハーブが収穫され、ボックスの外に!なんと根っこ付きで購入ができるようになっていました。

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スーパー内で育てて販売するという斬新なこのシステムは、「infarm(インファーム)」というベルリン発の都市型農業プラットフォーム。最新テクノロジーを駆使し、地球に優しく新鮮な野菜が小売りの現場で育てられるというシステムです。私がスーパーで見かけたのはアジアでは初の試みだそう。

今回は、この次世代的なハイテク農業(アグリテック)サービス「infarm」について、ご紹介したいと思います。

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(Photo & Image : infarm)

革新的な農業技術で美味しさとサステナブルを実現

infarm - Indoor Urban Farming は、ドイツを中心に世界10カ国および30の都市で事業を展開している、今急成長中のアグリテックのスタートアップ企業。彼らが開発するのは、野菜やハーブを栽培するモジュール式ユニット。電気、水、WiFi さえあれば稼働可能でスーパーやレストランなど様々な場所に設置することができ、100%ローカルな新鮮野菜を提供することができます。

infarmの素晴らしい点は、高効率の垂直農業(屋内に水耕栽培の棚を縦型に配置し、効率的に空間と水を利用する栽培方法)であるため比較的場所をとらないほか、最新のIoT技術や機械学習を組み合わせているので、最適な量の光・空気・栄養素を備えるエコシステムを提供しているところ。

各ファームは、常にクラウドベースのプラットフォームに接続されていて、室内の温度や湿度、光、pH などが遠隔で最適に制御されています。このプラットフォームは、それぞれのハーブや野菜が常に最良な状態で成長するように、継続的に学習・調整・改善しているため、気候に左右されやすいハーブやレタスなどの葉野菜でも安定的に栽培することができるそう。

これにより、従来の土壌ベースの大規模農業と比較して、水の使用量は約95%、肥料は約75%、輸送コストは約90%削減することが可能だと言います。
これまでに4,000万リットル以上の水、および50,000平方メートルの土地を節減しているというので驚きです。

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食の安全性と食品廃棄物の削減

こういったテクノロジーを使った屋内の水耕栽培の野菜って、まだまだ浸透していなくて未知な部分が多いので、安全面などに不安を感じる人もいるのではないでしょうか?

infarmは、グローバルGAP認証を取得した最初の水耕栽培事業で、食品安全のための国際的な認証機関であるHACCPシステムの支持者として、農産物の生産と配送に関する最高水準に従っています。また、栽培に化学農薬が使われていないので、安心で健康的。消費者にとっては嬉しいですね。

更に、安全性だけではなく、店内や近隣地域で農作物を栽培・収穫することによって食品廃棄物の削減にも繋がるということで、とってもサステナブルです。

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現在、種付けなどはInfarmの施設で行われており、出荷できるようになった株は、半自動的に各ファームへ搬出されて、店内のInfarm設備に運搬・ストックされます。各ファームにはinfarmのスタッフが定期的に訪れ、店内で育った野菜を根が付いたまま収穫し、次の新しい苗を植えるというサイクルが繰り返されます。

こうした仕組みにより消費者は、育っている最中の新鮮で栄養素たっぷりの野菜やハーブを購入することが可能となります。購入後は2cm程度の水を入れた容器に根を浸し、高温多湿を避けて保存すると、生き生きした状態を保つことができるそう。

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(Photo & Image : infarm)

前回の記事「サステナブルな未来をつくる、世界の都市型農業サービス」にもありましたが、サステナブルな世界を目指すには、脱炭素社会の実現食糧ロスの削減など様々な課題を解決する必要があります。

また、需要と供給のアンバランスも問題です。今後地球上の人口増加に伴って2050年までに世界の食料需要量は2010年比1.7倍になる(農林水産省HP)といった中で、
高齢化と人口減少が進む日本では、農業の担い手不足が深刻な課題となっています。

こうした様々な課題解決に繋がるinfarmのようなスマート農業は、今後ますます注目され広がっていくことでしょう。

infarmについて

2013年にオスナット・ミカエリさんとエレズ・ガロンスカさん、ガイ・ガロンスカさんの兄弟によって設立。高効率な垂直農法とIoT技術および機械学習を組み合わせ、復元的で、透明性が高く、手頃な価格で提供できる、オルタナティブなフードシステムを構築しています。同社は、組み立て式のファームを都市全体に配置し、都市に在住する市民のために新鮮な農作物を栽培しています。インファームは、最先端のR&D、特許技術、そして先進的な学際的チームにより、都市の自給自足を支えるとともに、食料の安全性、品質、環境フットプリントを大幅に改善するというミッションに基づいて設立されました。

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Infarm創業者たち。左からCMOオスナット・ミカエリさん、CEOエレズ・ガロンスカさん、CTOガイ・ガロンスカさん(Photo:Robert Rieger, FvF Productions UG)

国内のinfarmお取り扱い場所

現在、以下の都内のスーパー3店舗のみですが、この次世代事業にはJRが出資しているとのことなので、近い未来には駅で育てた野菜を買える日が来るのかも?!

紀ノ国屋 インターナショナル (青山店)(1/19(火)販売開始)
所在地:東京都港区北青山3-11-7 AoビルB1F(地下鉄表参道駅B2出口徒歩1分)

紀ノ国屋 西荻窪駅店(1/23(土)販売開始)
所在地:東京都杉並区西荻南3-25-1 西荻窪駅構内(改札外)

サミットストア五反野店(1/26(火)販売開始)
所在地:東京都足立区中央本町2丁目26番13号(東武伊勢崎線 五反野駅 徒歩1分)

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