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サステナブルな未来をつくる、世界の都市型農業サービス

2015年にパリで開かれた、温室効果ガス削減に関する国際的取り決めを話し合う「国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)」で合意されたパリ協定。その気候変動に関する政府間パネル ( IPCC )によると、海面上昇等のリスクを低減するためには、気温上昇を1.5℃にとどめることが重要と提言されています。

身近な日本の食と農業に焦点を当ててみると、日本で排出される農業由来の二酸化炭素(CO2)は、約5,001万トン(参照:農林水産省)。

農業分野で脱炭素社会へ向けて目標達成するには、以下の4つのアプローチがあると言われています。(参照:マッキンゼー・グローバル・インスティテュート ) 

1. 生産側で温室効果ガスの排出を抑制する
2. 需要(消費者)側の変化
3. 農地の用途変更
4. 新技術の開発

脱炭素社会に貢献する私たち消費者側の選択とは

冒頭のIPCCの目標を達成し、サステナブルな世界を実現するには、上の1,3,4 だけでなく、動物性タンパク質の少ない食生活への切り替えや、フードロスの削減など、消費者側の大きな努力も必要とされています。

今回は、その中でも、農業とは縁がうすいと捉えられがちな都市圏における、「フードロス」と、輸送を抑えることでCO2の削減も期待できる「地産地消」に貢献する世界のアイデアに溢れた農業サービスを紹介します。

The Farmers Market to Your Door
玄関先に、ファーマーズマーケットを。

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GrubMarket は、地方の小規模農家や卸売業者と協力して、レストランやさまざまな規模の店舗向けに食品を届けてくれるサービス。一般家庭へもオンラインストアを通じて商品を配達してくれます。レストランだけでなく、学校やNPO団体などにも届けているのだとか。

大手流通に販売できないような個人農家・小規模農家の中には、訳ありなカタチしてるけど、かわいい旬の野菜がたくさん。そんな野菜たちが、捨てられずに、必要とされる人へ届けられるのはとても嬉しいことですね。現時点では、ロサンゼルス、サンディエゴ、ニューヨークなど米国都市中心でのビジネス展開がメインだが、日本への参入も近いとの噂。楽しみにして待ちましょう!

Hyper-local food anywhere with the smartest container farm
都会のど真ん中にも出現可能なコンテナ型農場

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Freight Farms は、コンテナ型の農場を都市の小規模区画に配置して栽培を行い、同じく都市部にあるレストランへ届けるサービスです。こちらもまだ日本には参入していませんが、実現すれば、高層ホテルの屋上にコンテナ農場を構え、屋上で採れたハイパーローカルな食材を周辺のレストランやホテルなどにも提供できるようになります。

地方や世界からの美味しい食材も魅力的ですが、輸送コストや環境負荷も考えると、、すぐ近くのビルで採れたハイパーローカル食材という選択肢も、これから大事になるかもしれません。

LOCAL FOOD / EDUCATION / COMMUNITY FARM

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オーストラリアの Pocket City farm は、名前の通り、ポケットのような小さな都市の隙間空間に構えた農園のこと。都市に暮らす人々の多くが、いつも食べている食品の生産過程を知らず、生産者側の意識から遠く離れていることに気づき、食の生産から流通、消費までを体系的に捉える「フードシステム」に人々の目を向けたいと考え、このファームを始めたそうです。

このファームでは、コミュニティワークショップやイベント、作物の交換、農場ツアー、プライベートグループのワークショップやボランティアセッション、学校教育プログラム、スペースレンタル、場所のレンタル、農場でのヨガ、結婚式など、都市ならではの『農』を起点とした新しいコミュニティ形成も行われています。

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将来、東京の小さなポケット空間でも農業を始める人が増えかもと想像するだけで、ワクワクしますね。

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