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『三つ編み』を読み終えて平和を願う

小説『三つ編み』を一気読みしました。

卍易風水師、
時々はちみつ代理店、
双子男子の母、澄恵です。

早川書房の読書モニターに当選して
小説『あなたの教室(仮)』の
ゲラを一足先に読ませていただきました!

レティシア・コロンバニ『三つ編み』

新刊『あなたの教室(仮)』の関連作品ということで
レティシア・コロンバニさんの『三つ編み』も、早速読んでみました。

小説『三つ編み』は
客観的な描写にも関わらず、胸が痛くなる場面が多かった。

インド、シチリア、カナダの女性の物語は、
どれも続きが気になり、あっという間に読了。

以下、ネタバレもありますので、
これから読みたい方は、
どうぞ、他の皆様の名記事にいってらっしゃいませー。

カナダの女性弁護士サラ

女性弁護士サラが、
シングルで子どもがいるという側面を出さずに
日夜、週末も働いて勝ち得たアソシエイトの立場。
女性が男性のように働いて勝ち得る構造は、
今の日本女性と変わらず、
非常にわかりみが過ぎた。


癌を抱える人が職場で受ける差別も、日本と変わらないと思われる。
一方、治療や検査で仕事を離れればならず、
案件が重要かつ長期の場合に、
いかにして仕事と雇用を保っていくのか、
考えさせられた

シチリアの毛髪工場で働くジュリア

シチリアのジュリアの物語は、
父の意識不明がありながらも、明るい未来を感じさせてくれた。

シチリアという昔ながらの島で
ほぼ少女といってもいい若い女性が、
工場の危機を解決するために
東奔西走したのであろうと思うと尊敬しかない。

文中に引用されたマーク・トウェインの
「不可能だとは知らなかったから、彼らは実行した」
が刺さる。

魅力的なカマルとの出会い。
ジュリアは、宗教や肌の色の違いも、やすやすと超える。
カマルとジュリアの場面は、
三人の女性の、ともすればくじけそうになる物語において、
生きる力や明るさを与えてくれていた
と思う。

インドの不可触民、スミタ

世界最高峰のIT技術者を抱えるインド。
ヨガやアユールヴェーダなど、世界を惹きつけてやまない魅力をもつ国。
そんな明るい面と反するように、
女性や子どもへの差別、虐待、人ならざる扱いがひどい。

ここまでひどいのかと思うほどに、ひどい。

「戦争」という誰からも目に留まりやすい形のみならず、
見えにくい場所で、見えにくい形で
文化や歴史に絡みつき、こうも不幸な人たちがいるのか
と気づかされた。

インドがすで廃止したという「カースト制度」の
それでも続けられている、

酷すぎる差別の実態を知る機会になりました。

世界が平和で、誰にとっても暮らしやすくなってほしい

本作は、非常に厳しい物語ながらも
勇気を持って挑む三人の女性と、
主人公たちを理解し、協力してくれる男性陣がいて
ほっとします。


「男性V.S.女性」じゃない物語は
男性が読んでも、十分に面白いはず。


世界が平和で、誰にとっても暮らしやすくなってほしい。
心から思いました。

あー、良著に出会えて、なんてありがたいことなんだろう!
私が知らない世界、今世の私が経験しない人生。
本を読む時間は、やっぱり充実です。

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