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読書日記

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自分が読んだ本の感想記録をまとめました
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2022年11月の記事一覧

【読書日記】ぼくには数字が風景に見える / ダニエル・タメット

【読書日記】ぼくには数字が風景に見える / ダニエル・タメット

2022年9月2日読了。

小説しか読まない自分にとって珍しくエッセイ。自分が好きな作家である小川洋子が絶賛していると帯に書いてあるのを見て、気になって手に取ったが、ドキュメンタリー小説のような感覚で読めた。

著者のダニエル・タメットはサヴァン症候群という自閉症やアスペルガーの障害を持っていて、数字や言語が形を持って浮かんでくるという共感覚の持ち主。この本では彼が生まれてからの生い立ちが時系列順

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【読書日記】未来からのホットライン / ジェイムズ・P・ホーガン

【読書日記】未来からのホットライン / ジェイムズ・P・ホーガン

2022年8月20日 読了。

この小説の原題「Trice upon a time」が映画『シン・ヱヴァンゲリヲン』のサブタイトルになっているというので気になって読み始めたが、読んでみてびっくり、内容が露骨に『シュタインズゲート』で、あとから知ったがシュタインズゲートの元ネタとなった作品らしい。
シュタゲの元ネタといえば『バタフライエフェクト』の印象が強かったが、実はこっちの方が直接的な元ネタだっ

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【読書日記】カエアンの聖衣 / バリントン・J・ベイリー

【読書日記】カエアンの聖衣 / バリントン・J・ベイリー

2022年7月14日読了。

スーツの繊維が知性を持ち人間を支配するという、アニメ『キルラキル』の元ネタになったSF小説。あとがき解説も中島かずきが書いている。
キルラキルの元ネタと書いたけど、中島かずき自身が「この作品がなかったらグレンラガンもキルラキルも生まれなかった」と言っているくらい、キルラキルに限らずそもそもの中島かずきの創作観に影響を与えているとのこと。

実際読んでみるとめちゃくちゃ

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【読書日記】幼年期の終わり / アーサー・C・クラーク

【読書日記】幼年期の終わり / アーサー・C・クラーク

2022年6月15日読了。

SFの古典的名作と名高い作品だけど初めて読んだ。まず、想像以上に読みやすいことに驚いた!
クラークの作品というと「2001年宇宙の旅」の印象があって、これは2回見て2回とも寝落ちして、しばらくしてからちゃんと見たけどやっぱりちんぷんかんぷんだったので、難解な話なのだろうと思っていた。

しかし「幼年期の終わり」はいざ読んでみると展開もわかりやすいし続きも気になって面白

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【読書日記】観光 / ラッタウット・ラープチャルーンサップ

【読書日記】観光 / ラッタウット・ラープチャルーンサップ

2022年5月29日読了。

タイ系アメリカ人作家の短編集で、この作品はTaknal(おすすめ本のすれ違いアプリ)で知った。「こんな素晴らしい文章を読んだことがない」と紹介されていて、Amazonレビューも絶賛の嵐だったので、ほーん、と思って読んでみたら、その期待を遥かに超えてきた。

間違いなく今まで読んだ短編集のなかでズバ抜けていた。収録されていた7編すべてが素晴らしい(短編集で全編素晴らしい

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