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【読書日記】幼年期の終わり / アーサー・C・クラーク

2022年6月15日読了。

SFの古典的名作と名高い作品だけど初めて読んだ。まず、想像以上に読みやすいことに驚いた!
クラークの作品というと「2001年宇宙の旅」の印象があって、これは2回見て2回とも寝落ちして、しばらくしてからちゃんと見たけどやっぱりちんぷんかんぷんだったので、難解な話なのだろうと思っていた。

しかし「幼年期の終わり」はいざ読んでみると展開もわかりやすいし続きも気になって面白く読み進められた。
ラストの展開ではかなり話が複雑になるけど、エヴァンゲリオンの「人類補完計画」の元ネタだという前知識があったおかげであまり苦労せずに理解できた。思った以上に人類補完計画だった。オーヴァーロードはゼーレだし、オーヴァーマインドはエヴァ旧劇場版のでっかい綾波だった。
そういう目で読んでしまったのでSFとしての革新性などはあまり感じられなかったものの(もちろん当時は革新的極まりなかったのだろうが)、一つ一つの描写はとても面白かったし、想像していたよりずっと良かった。
人類が理想の生活を手にすることで芸術・文化が衰退するという発想なんかは特に面白い。

また、この作品の読みやすさを決定づける要素はオーヴァーロードという高次元存在がなんだかんだで人間的であるところだと思う。カレラン総督こそが物語の主人公で、高次存在に感情移入して読むというところに面白さがあった気がする。

余談だけど「幼年期の終わり」を読んで改めて自分はエヴァの旧劇場版もとい漫画版がめちゃくちゃ好きだな、と思った。新劇場版も素晴らしかったしエヴァという作品の決着としては大正解100点だったと思うけれど、SF的な視点で作品として完成されているのはやっぱり旧劇場版だな〜と、幼年期の終わりを読んでしみじみ思った。

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