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世界のランニングあれこれ

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私が自分の目で見てきた世界の陸上・ランニングについて書きます。
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#10000m

男子10000mエチオピア選考会のハイライト動画と3人の日本人選手の結果(相澤晃、市田孝、伊藤達彦)

男子10000mエチオピア選考会のハイライト動画と3人の日本人選手の結果(相澤晃、市田孝、伊藤達彦)

2022年6月5日にオランダのヘンゲロで男子10000mのエチオピア選考会が開催された。これは、FBKゲームという国際陸上大会に付随したレースであるが、毎年この時期に世界大会のエチオピア選考会が開催されている。

エチオピアの中長距離選手達は、世界で最も高地であるという環境で試合が行われているが、高地の記録は平地よりも劣ってしまうため、標準記録の突破も兼ねて平地で10000mが開催されている。

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BTCのグラント・フィッシャーの活躍:大事なのは過去の選手との比較でなく今の立ち位置

2022年の陸上の世界選手権はユージンで開催される。これは、アメリカで初の屋外の世界選手権開催である(室内では2016年にオレゴン州ポートランドで室内世界選手権が開催された)。

東京五輪の中長距離種目ではBTCの男女選手の活躍があった。

男子はモー・アーメドが5000mで銀メダル獲得。女子は3000mSCで2000mからのロングスパートで一時は金メダル獲得かと思わせたコートニー・フレリクスが銀

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東京五輪陸上1日目:男子10000m決勝 / 相澤晃 / 伊藤達彦🇯🇵はアフリカ勢相手に善戦できるか。

東京五輪陸上1日目:男子10000m決勝 / 相澤晃 / 伊藤達彦🇯🇵はアフリカ勢相手に善戦できるか。

男子10000mは20世紀の終わりから21世紀にかけて金メダリストの世代交代があり、H.ゲブレセラシェ🇪🇹(エチオピア)K.ベケレ🇪🇹(エチオピア)モー・ファラー🇬🇧(イギリス)の3人の選手が五輪連覇を達成した種目。

前回王者のファラーは今回の出場権を得ることができなかったので、今回の五輪では新王者が生まれることとなる。

日本では2020年の暮れの日本選手権10000mの1日だけで

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陸上中長距離の記録水準向上と各国の記録統計からみる“新スパイク”の貢献度

陸上中長距離の記録水準向上と各国の記録統計からみる“新スパイク”の貢献度

この1年間のトラックレースを見ていると、中長距離種目において
・世界新(男子5000 / 10000 / 女子5000mなど)
・日本新(男子10000m / 3000mSC / 女子1500 / 10000m)
・高校新(男子5000m)
・U20新(男子5000m / 3000mSC)

などといった新記録が続出していることに気づく。

それは、それ以前にロードで起こっていた日本新の連発(男子

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スーパースパイク時代に「シューズなし」で記録された"10000m28:24.93"(自己新)の凄さ。

スーパースパイク時代に「シューズなし」で記録された"10000m28:24.93"(自己新)の凄さ。

(トップ写真:©︎2021 Cuan Walker)

2021年3月5日に南アフリカの都市、ダーバンのKings Park Athletics Stadiumで行われた男子10000mで快記録が生まれた。

南アフリカのクワズール・ナタール州(KZN:KwaZulu-Natal provinsie)を拠点とするムブレリ・マタンガ(Mbuleli Mathanga)が28:24.93の自己新。この

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【12/5】10000mでペーサーを務めたアマチュアランナーのサム・アトキン 🇬🇧が英国歴代4位の27:26.58で五輪標準突破。

【12/5】10000mでペーサーを務めたアマチュアランナーのサム・アトキン 🇬🇧が英国歴代4位の27:26.58で五輪標準突破。

(トップ写真📷:Chuck Utash)

今年は男子10000mで世界記録が更新され、この種目では男女の日本記録も更新された。

なかでも、日本選手権男子10000mのレースは2組合わせて27分台が18人、自己新が25人と凄まじい結果だった。

10000mでの好記録はその2日後に行われたアメリカの大会でも続いた。

先週はバレンシアハーフでの57分台での世界新4連発、バレンシアマラソン、福岡

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【5000/10000m世界記録保持者】ジョシュア・チェプテゲイのトレーニングメニュー

【5000/10000m世界記録保持者】ジョシュア・チェプテゲイのトレーニングメニュー

2020年はジョシュア・チェプテゲイ(2020年に3種目の世界記録更新)やジェイコブ・キプリモ(世界ハーフ優勝)といったセベイ族のウガンダ長距離選手の活躍が目立ったが、彼らが所属するトレーニングキャンプや、どのようなトレーニングをしているかについてはあまり知られていない。

以下の記事はウガンダのカプチョルワを拠点としている3人のウガンダの長距離金メダリストの基本情報をまとめた記事である。

今回

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ジョシュア・チェプテゲイ🇺🇬が男子10000m26:11.00、レテセンベット・ギデイ🇪🇹が女子5000m14:06.62でそれぞれ世界記録を更新!

ジョシュア・チェプテゲイ🇺🇬が男子10000m26:11.00、レテセンベット・ギデイ🇪🇹が女子5000m14:06.62でそれぞれ世界記録を更新!

10月7日にスペインのバレンシアでNN Valencia World Record Dayが行われ、男子10000mでジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)が26:11.00をマークして15年ぶりに同種目の世界記録を更新した。

また、このレースの直前に同会場で行われた女子5000mではレテセンベット・ギデイ(エチオピア)が14:06.62をマークし、12年ぶりに同種目の世界記録を更新した。

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