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ワーママのリアルな就活&保活体験記⑥

結婚と出産を経て、ずっと「家族」という狭いコミュニティの中で生きてきたわたしは、久しぶりに「会社」という大きな組織に属することとなった。

我が家はワンオペ育児なので、わたしが働き出すにあたって特に家事や育児を夫と分担することはなく、これまで通り日常に「仕事」が追加されることになるだけだ。

幸い、仕事復帰するわたしの職場は時短勤務から務めることができた。

いまでこそ私わたしはフルタイムで勤務しているが、体が“会社での労働”を思い出すのには時間がかかるし、最初の頃は6時間勤務ですら帰宅するとクタクタだった。段々時間の使い方や楽する方法を覚え、ワンオペでもスムーズに仕事からママ業へ移行できたように思う。

限られた条件にはなってしまうが、もし企業が時短勤務を受け入れてくれているのなら、それを利用しない手はない。しばらくその生活スタイルを続け、自分だけでなく子どもや家族の様子を見ながらフルタイムに切り替えていくのが理想的かもしれない。「今までずっと家にいたママが突然お仕事に行く」というのは、子どもにとってもかなりの環境変化だからだ。


下の子を保育園に預けながら仕事をするわたしは、相変わらず3つの保育園の一時保育システムをかけもちしていた。

子ども自身も初めての環境の中、小さいなりに新しいコミュニティを作ろうと頑張っていてくれている。しかしせっかくその日楽しく過ごしてもまた次の日には別の園に預けられるのだ。こんなことを思っても仕方ないのだけど、その保育園の“園児”として預けられているほかの子どもがひどくうらやましく感じた。


そんなある日。

「一時保育、うちじゃない日はよそにあずけてるの?だったら全部うちでいいよ。その方が、ママはもちろん子どもだっていいよね。」

そう言ってくれたのはその園の園長先生で、思わず「え!!!???いいんですか!!!???」と戸惑ったわたしに「いいよ~」と笑顔をくれた。

やさしさと気遣いに、涙が出そうだった。

もちろん、一時保育の定員がいっぱいなことは保育園が悪いわけじゃないし、かけもちしてどうにかなっているだけで恵まれている。この園長先生の申し出も、きっと裏で人数や先生の配置の調整など色々してくれたんだろうな。ひとりで頑張ってばかりだと思っていた保活と就活のなかで、人のやさしさを感じて胸が温かく、軽くなった。

そうしてわたしは、1つの保育園に継続して保育をお願いできるようになり、心配事がひとつ減ったことでより仕事にも打ち込めるようになった。

これは本当に恵まれていて、素敵なやさしさに出会えた結果なんだと思う。

それはきっとたまたまで、なにか特別なことがあったわけじゃない。

それでも、そんなちいさなことで幸せを感じられることに、

わたしはまた、「幸せだな。」と感じたのだ。




つづく。




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