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記事一覧

『首里城と沖縄戦』(保坂 廣志 著)

『首里城と沖縄戦』 保坂 廣志 著  今年、沖縄に行き、修復中の首里城も訪れました。その地下に司令壕があったとの説明を何となく受けたのですが、「立入不可」でそのま…

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1日前

『忘却の効用』 スコット・A・スモール 著

『忘却の効用』 スコット・A・スモール 著  このところ、名前が出てこない、用事を忘れるなど、「忘却力」がついてきました。これで大丈夫かと少し心配になっていたとこ…

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3週間前

『暗殺』 柴田 哲孝 著

『暗殺』 柴田 哲孝 著  「あれだけやめろと言ったのに元号を令和にした上、改号日も5月1日にしやがった。もう許せねぇ」 “令”は、目上の者が掟で縛り、言いつけるも…

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3週間前
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知床(自然編)

 溜まったマイルの消化に知床へ。猛暑の続く東京とは異次元の涼しさ。まずは、小さい頃から行きたかった摩周湖へ。地元の人にも珍しいと言われたほどの晴れの日で、神の子…

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1か月前

『ジャック・ウェルチ「20世紀最高の経営者」の虚栄

『ジャック・ウェルチ「20世紀最高の経営者」の虚栄』 デイヴィッド・ゲレス 著  かつてジャック・ウェルチと言えば名経営者の誉れ高く、当時の社長も「ウェルチはこう言…

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2か月前
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『勇気の花がひらくとき』(梯 久美子 著)

『勇気の花がひらくとき』 梯 久美子 著  25年春の朝ドラは、「愛と勇気の物語」の『あんぱん』だそうです。やなせたかしと妻・小松暢(のぶ)の物語。これに先行して「C…

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2か月前
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『なぜヒトだけが老いるのか』(小林 武彦 著)

『なぜヒトだけが老いるのか』 小林 武彦 著  生殖期を過ぎても生き続ける生物は、(短期間生きるシャチやゴンドウグジラ以外)ヒトのみであるという点に着目して分析し…

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2か月前

『女の国会』(新川 帆立 著)

『女の国会』 新川 帆立 著  面白かったです。よく調べているな~と思ったら、この著者、『元彼の遺言状』を書いた弁護士さんですね。ミステリー仕立てとなっていて、殺…

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2か月前

『マネーモンスター』(黒木 亮 著)

『マネーモンスター』 黒木 亮 著  これは面白いです! 真山仁氏の「ハゲタカ」シリーズは通読しましたが、黒木亮氏の「カラ売り」シリーズは初めてで引き込まれました…

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2か月前

『素数ゼミの謎』(吉村 仁 著)

『素数ゼミの謎』 吉村 仁 著  昨日のネット記事に、「米国で今年、13年ゼミと17年ゼミが同時に大発生」という記事がありました。米国では周期的に地域を分散しながら、…

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2か月前
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『「生」と「死」の取り扱い説明書』

『「生」と「死」の取り扱い説明書』 苫米地 英人 著  苫米地英人氏と言えば、オウム真理教に洗脳された信者たちを脳科学・認知科学で「脱洗脳」させたことで有名かと思…

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2か月前

『死の講義』(橋爪大三郎 著)

 Podcast、Spotifyなどに「COTEN RADIO」という番組があり、この中の「老いと死の歴史」の参考文献として紹介されたものです。  一神教、インド、中国、仏教、日本など…

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2か月前

『ゆうびんの父』(門井 慶喜 著)

『ゆうびんの父』 門井 慶喜 著  門井慶喜氏の本にハズレはないと新刊をゲット。と思ったところ、前半は前島密(上野房三郎)があっち行ったり、こっち行ったりの繰り返…

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3か月前
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『世界最強の地政学』(奥山 真司 著)

『世界最強の地政学』 奥山 真司 著  「世界最強」かどうかは別にして、地政学の歴史や考え方、現在進行中のロシア、中東、中国、果ては宇宙の話まで、これ一冊で十分と…

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3か月前

『猫の妙術』

『猫の妙術』 佚斎 樗山 著、高橋 有 訳・解説  これはなかなか深遠な書です。原著は江戸中期に書かれ、猫が武士に武道(人生)の真髄を指南するというもの。  第一章…

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3か月前
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読書に便利なアプリ(「図書館日和」)

 読書するのに、重宝しているアプリがあるのでご紹介(図書の話でなくて恐縮です)。  「図書館日和」というアプリがあります。よく使う図書館を登録しておくと、一挙に…

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4か月前
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『首里城と沖縄戦』(保坂 廣志 著)

『首里城と沖縄戦』(保坂 廣志 著)

『首里城と沖縄戦』 保坂 廣志 著

 今年、沖縄に行き、修復中の首里城も訪れました。その地下に司令壕があったとの説明を何となく受けたのですが、「立入不可」でそのままスルー。それから書店で本書を見かけ、首里城の思い出ついでにと読んでみたのですが、本日(終戦の日)の投稿にふさわしい内容でした。

 県民を守るどころかスパイ容疑で追い詰め、厳重に機密を守るようにと県民を拘束しながら地下壕に暗号表を残し

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『忘却の効用』 スコット・A・スモール 著

『忘却の効用』 スコット・A・スモール 著

『忘却の効用』 スコット・A・スモール 著

 このところ、名前が出てこない、用事を忘れるなど、「忘却力」がついてきました。これで大丈夫かと少し心配になっていたところ、ちょうど絶好の書籍に遭遇。

 まず、「忘れる」ということは、個別事象を一般化するための前提。記憶力のいい人は、「朝日のなかで見た犬」と「夕闇のなかで見た犬」を、「同じ犬」と認識できないのだそうです。「さまざまな相違を忘れること、一

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『暗殺』 柴田 哲孝 著

『暗殺』 柴田 哲孝 著

『暗殺』 柴田 哲孝 著

 「あれだけやめろと言ったのに元号を令和にした上、改号日も5月1日にしやがった。もう許せねぇ」 “令”は、目上の者が掟で縛り、言いつけるもの。“和”は和人、つまり日本人の意。5月1日は旧・統一教会の創設記念日なので、この趣旨は明らか。それまでの皇室典範問題などから、皇道派としては「もう許せない」と、蛮行に及んだという「設定」です。

 最初のページに「この物語はフィクシ

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知床(自然編)

知床(自然編)

 溜まったマイルの消化に知床へ。猛暑の続く東京とは異次元の涼しさ。まずは、小さい頃から行きたかった摩周湖へ。地元の人にも珍しいと言われたほどの晴れの日で、神の子池~屈斜路湖~阿寒湖と周辺のカルデラ湖を一気にめぐりました。

 知床では、ヒグマの繁殖期のため、ガイドさん付きで知床五湖を一周。一見、静かな森にも激しい競争があり、「植物から学ぶ生存戦略」を学びました。20年やっているというガイドさんは

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『ジャック・ウェルチ「20世紀最高の経営者」の虚栄

『ジャック・ウェルチ「20世紀最高の経営者」の虚栄

『ジャック・ウェルチ「20世紀最高の経営者」の虚栄』 デイヴィッド・ゲレス 著

 かつてジャック・ウェルチと言えば名経営者の誉れ高く、当時の社長も「ウェルチはこう言っています」とよく引き合いに出していました。しかし、その名門GEが、ダウ平均銘柄から外され、収益源と言われたGEキャピタルを手放し、さらにはドル箱だった発電機・ヘルスケアも売却。いまや「ただの航空機エンジンのサプライヤーになり下がった

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『勇気の花がひらくとき』(梯 久美子 著)

『勇気の花がひらくとき』(梯 久美子 著)

『勇気の花がひらくとき』 梯 久美子 著

 25年春の朝ドラは、「愛と勇気の物語」の『あんぱん』だそうです。やなせたかしと妻・小松暢(のぶ)の物語。これに先行して「COTEN RADIO」の「やなせたかし」を聴いてからすっかりハマってしまい、いまのプチ・マイブームは「アンパンマン」。
 
 やなせたかしは、幼少期に両親兄弟とは死別・離別。徴兵で中国に出兵して「食べるもののない苦しさは、どうにもな

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『なぜヒトだけが老いるのか』(小林 武彦 著)

『なぜヒトだけが老いるのか』(小林 武彦 著)

『なぜヒトだけが老いるのか』 小林 武彦 著

 生殖期を過ぎても生き続ける生物は、(短期間生きるシャチやゴンドウグジラ以外)ヒトのみであるという点に着目して分析した内容です。いわゆる「おばあちゃん効果」(子育てに協力)や長老による課題解決など、集団においてシニアに重要な役割があったためというのが筆者の見解です。進化には目的はなく、「集団生活に適応した、他者と協力できる」サルだけが結果的に生き残っ

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『女の国会』(新川 帆立 著)

『女の国会』(新川 帆立 著)

『女の国会』 新川 帆立 著

 面白かったです。よく調べているな~と思ったら、この著者、『元彼の遺言状』を書いた弁護士さんですね。ミステリー仕立てとなっていて、殺人を巡る動機には「?」が残りましたが、政治家、特に第四章の選挙については相当ヒアリングされたものと思います。

 男性議員に多いのが「アレオレ詐欺」とか。「アレオレ詐欺」とは、「アレは、オレがやった!」と手柄を吹聴するものだそうで、自分

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『マネーモンスター』(黒木 亮 著)

『マネーモンスター』(黒木 亮 著)

『マネーモンスター』 黒木 亮 著

 これは面白いです! 真山仁氏の「ハゲタカ」シリーズは通読しましたが、黒木亮氏の「カラ売り」シリーズは初めてで引き込まれました。

 パンゲアというカラ売り屋の活動を、「ミスター液晶(液晶バックライト)」「水素トラック革命(水素自動車)」「地銀の狼(ス〇ガ銀行)」の三本立てで描いています。それぞれ独立しており、短編としても読めますが、前者2作は、かつて携わった

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『素数ゼミの謎』(吉村 仁 著)

『素数ゼミの謎』(吉村 仁 著)

『素数ゼミの謎』 吉村 仁 著

 昨日のネット記事に、「米国で今年、13年ゼミと17年ゼミが同時に大発生」という記事がありました。米国では周期的に地域を分散しながら、セミの大量発生があるようです。またまた「COTEN RADIO」からの引用で恐縮ですが、ダーウィンの進化論に関係して、以前、このセミのことが語られていました。

 ダーウィンの進化論は、「変化するものだけが生き残る」と解釈され、経営

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『「生」と「死」の取り扱い説明書』

『「生」と「死」の取り扱い説明書』

『「生」と「死」の取り扱い説明書』 苫米地 英人 著

 苫米地英人氏と言えば、オウム真理教に洗脳された信者たちを脳科学・認知科学で「脱洗脳」させたことで有名かと思います。カーネギーメロン大学博士であり、かつ天台宗で得度した仏教家。見た目、少々「うさん臭い」というイメージがあるのですが、この方の著作もほぼ読んでいます。この本のタイトルは軽い感じですが、中身はなかなかのものです。

 前掲の『死の講

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『死の講義』(橋爪大三郎 著)

『死の講義』(橋爪大三郎 著)

 Podcast、Spotifyなどに「COTEN RADIO」という番組があり、この中の「老いと死の歴史」の参考文献として紹介されたものです。

 一神教、インド、中国、仏教、日本などの宗教観を元に、それぞれの死生観がどうなのかが描かれています。死後は、「復活する」、「輪廻する」、「そのまま何もない」、「黄泉の国に行く」など様々ですが、著者は、結局これらを参考に、「自分で決めなさい」と結論づけて

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『ゆうびんの父』(門井 慶喜 著)

『ゆうびんの父』(門井 慶喜 著)

『ゆうびんの父』 門井 慶喜 著

 門井慶喜氏の本にハズレはないと新刊をゲット。と思ったところ、前半は前島密(上野房三郎)があっち行ったり、こっち行ったりの繰り返し。北は北海道から南は九州まで、上司・師・仕事を転々とし、「いつ本題は出てくるのやら…」と不安になってきます。後半から郵便事業の立ち上げとなり、ヤマト運輸の小倉昌男氏バリの活躍に移行します。しかも、前半の長々とした旅の経験が事業立ち上げ

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『世界最強の地政学』(奥山 真司 著)

『世界最強の地政学』(奥山 真司 著)

『世界最強の地政学』 奥山 真司 著

 「世界最強」かどうかは別にして、地政学の歴史や考え方、現在進行中のロシア、中東、中国、果ては宇宙の話まで、これ一冊で十分という感じです。地図が多用されていることから、眼で見てわかる工夫もされており、新書版としては「最強」かと思います。

 日本は海洋国家であるはずなのに陸軍というランドパワーが強い理由、隣国とはどこも敵国、戦争に勝つ定義は何か(この定義では

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『猫の妙術』

『猫の妙術』

『猫の妙術』 佚斎 樗山 著、高橋 有 訳・解説

 これはなかなか深遠な書です。原著は江戸中期に書かれ、猫が武士に武道(人生)の真髄を指南するというもの。

 第一章は、猫が鼠を退治する場面で、絵本を読んでいるように面白く読みました。第二章から、鼠を捕まえた猫が武士・勝軒に武道(人生)の心得を指南します。老荘思想に沿った内容で、「人は『ここ』『そこ』と場所を決めるが、地面は同じ一つ」と知ることが

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読書に便利なアプリ(「図書館日和」)

読書に便利なアプリ(「図書館日和」)

 読書するのに、重宝しているアプリがあるのでご紹介(図書の話でなくて恐縮です)。

 「図書館日和」というアプリがあります。よく使う図書館を登録しておくと、一挙に在庫検索をしてくれ、そのまま予約もできます(いま、3つの区の図書館と近くの大学図書館を登録しています)。ここで見つからない場合には、「カーリル」で他区を探すこともありますが、基本的にこれで十分。予約すると図書館側で本を準備してくれるので、

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