マイケル

マイケル

最近の記事

知床(自然編)

 溜まったマイルの消化に知床へ。猛暑の続く東京とは異次元の涼しさ。まずは、小さい頃から行きたかった摩周湖へ。地元の人にも珍しいと言われたほどの晴れの日で、神の子池~屈斜路湖~阿寒湖と周辺のカルデラ湖を一気にめぐりました。  知床では、ヒグマの繁殖期のため、ガイドさん付きで知床五湖を一周。一見、静かな森にも激しい競争があり、「植物から学ぶ生存戦略」を学びました。20年やっているというガイドさんは、「知床には、日々新たな発見がある」と楽しげに語り、本当に知床が好きなのだと感じ

    • 『ジャック・ウェルチ「20世紀最高の経営者」の虚栄

      『ジャック・ウェルチ「20世紀最高の経営者」の虚栄』 デイヴィッド・ゲレス 著  かつてジャック・ウェルチと言えば名経営者の誉れ高く、当時の社長も「ウェルチはこう言っています」とよく引き合いに出していました。しかし、その名門GEが、ダウ平均銘柄から外され、収益源と言われたGEキャピタルを手放し、さらにはドル箱だった発電機・ヘルスケアも売却。いまや「ただの航空機エンジンのサプライヤーになり下がった」内情・顛末について詳しく論じています。本書ではその要因を、「ダウンサイジング(

      • 『勇気の花がひらくとき』(梯 久美子 著)

        『勇気の花がひらくとき』 梯 久美子 著  25年春の朝ドラは、「愛と勇気の物語」の『あんぱん』だそうです。やなせたかしと妻・小松暢(のぶ)の物語。これに先行して「COTEN RADIO」の「やなせたかし」を聴いてからすっかりハマってしまい、いまのプチ・マイブームは「アンパンマン」。    やなせたかしは、幼少期に両親兄弟とは死別・離別。徴兵で中国に出兵して「食べるもののない苦しさは、どうにもならない」という原体験をもって戦後帰国。「手のひらを太陽に」や「三越」の包装紙など

        • 『なぜヒトだけが老いるのか』(小林 武彦 著)

          『なぜヒトだけが老いるのか』 小林 武彦 著  生殖期を過ぎても生き続ける生物は、(短期間生きるシャチやゴンドウグジラ以外)ヒトのみであるという点に着目して分析した内容です。いわゆる「おばあちゃん効果」(子育てに協力)や長老による課題解決など、集団においてシニアに重要な役割があったためというのが筆者の見解です。進化には目的はなく、「集団生活に適応した、他者と協力できる」サルだけが結果的に生き残ったのであり、「なぜヒトだけが老いるのか」ではなく、「老いた人がいる社会が選択」さ

        知床(自然編)

          『女の国会』(新川 帆立 著)

          『女の国会』 新川 帆立 著  面白かったです。よく調べているな~と思ったら、この著者、『元彼の遺言状』を書いた弁護士さんですね。ミステリー仕立てとなっていて、殺人を巡る動機には「?」が残りましたが、政治家、特に第四章の選挙については相当ヒアリングされたものと思います。  男性議員に多いのが「アレオレ詐欺」とか。「アレオレ詐欺」とは、「アレは、オレがやった!」と手柄を吹聴するものだそうで、自分の周辺にも多く、(何人かの顔を思い浮かべて)思わず笑ってしまいました。   「

          『女の国会』(新川 帆立 著)

          『マネーモンスター』(黒木 亮 著)

          『マネーモンスター』 黒木 亮 著  これは面白いです! 真山仁氏の「ハゲタカ」シリーズは通読しましたが、黒木亮氏の「カラ売り」シリーズは初めてで引き込まれました。  パンゲアというカラ売り屋の活動を、「ミスター液晶(液晶バックライト)」「水素トラック革命(水素自動車)」「地銀の狼(ス〇ガ銀行)」の三本立てで描いています。それぞれ独立しており、短編としても読めますが、前者2作は、かつて携わった業務内容であり、また最後は最近話題になった「ス〇ガ銀行」の話でもあり、いずれも一

          『マネーモンスター』(黒木 亮 著)

          『素数ゼミの謎』(吉村 仁 著)

          『素数ゼミの謎』 吉村 仁 著  昨日のネット記事に、「米国で今年、13年ゼミと17年ゼミが同時に大発生」という記事がありました。米国では周期的に地域を分散しながら、セミの大量発生があるようです。またまた「COTEN RADIO」からの引用で恐縮ですが、ダーウィンの進化論に関係して、以前、このセミのことが語られていました。  ダーウィンの進化論は、「変化するものだけが生き残る」と解釈され、経営者がよくこの言葉を語ります。しかし、「COTEN RADIO」によれば、これは誤

          『素数ゼミの謎』(吉村 仁 著)

          『「生」と「死」の取り扱い説明書』

          『「生」と「死」の取り扱い説明書』 苫米地 英人 著  苫米地英人氏と言えば、オウム真理教に洗脳された信者たちを脳科学・認知科学で「脱洗脳」させたことで有名かと思います。カーネギーメロン大学博士であり、かつ天台宗で得度した仏教家。見た目、少々「うさん臭い」というイメージがあるのですが、この方の著作もほぼ読んでいます。この本のタイトルは軽い感じですが、中身はなかなかのものです。  前掲の『死の講義』の関連図書で出てきたものですが、さすがは苫米地ワールド。田坂広志氏は量子力学

          『「生」と「死」の取り扱い説明書』

          『死の講義』(橋爪大三郎 著)

           Podcast、Spotifyなどに「COTEN RADIO」という番組があり、この中の「老いと死の歴史」の参考文献として紹介されたものです。  一神教、インド、中国、仏教、日本などの宗教観を元に、それぞれの死生観がどうなのかが描かれています。死後は、「復活する」、「輪廻する」、「そのまま何もない」、「黄泉の国に行く」など様々ですが、著者は、結局これらを参考に、「自分で決めなさい」と結論づけています。これを読んでも、自分としては、田坂広志氏の「死は存在しない」の考えに同意

          『死の講義』(橋爪大三郎 著)

          『ゆうびんの父』(門井 慶喜 著)

          『ゆうびんの父』 門井 慶喜 著  門井慶喜氏の本にハズレはないと新刊をゲット。と思ったところ、前半は前島密(上野房三郎)があっち行ったり、こっち行ったりの繰り返し。北は北海道から南は九州まで、上司・師・仕事を転々とし、「いつ本題は出てくるのやら…」と不安になってきます。後半から郵便事業の立ち上げとなり、ヤマト運輸の小倉昌男氏バリの活躍に移行します。しかも、前半の長々とした旅の経験が事業立ち上げに役立つということもわかりました。特に、旅を通じた維新の志士たちや勝海舟らとの交

          『ゆうびんの父』(門井 慶喜 著)

          『世界最強の地政学』(奥山 真司 著)

          『世界最強の地政学』 奥山 真司 著  「世界最強」かどうかは別にして、地政学の歴史や考え方、現在進行中のロシア、中東、中国、果ては宇宙の話まで、これ一冊で十分という感じです。地図が多用されていることから、眼で見てわかる工夫もされており、新書版としては「最強」かと思います。  日本は海洋国家であるはずなのに陸軍というランドパワーが強い理由、隣国とはどこも敵国、戦争に勝つ定義は何か(この定義ではロシアは敗戦状態)など、改めて考えさせられるところがありました。新聞やニュースな

          『世界最強の地政学』(奥山 真司 著)

          『猫の妙術』

          『猫の妙術』 佚斎 樗山 著、高橋 有 訳・解説  これはなかなか深遠な書です。原著は江戸中期に書かれ、猫が武士に武道(人生)の真髄を指南するというもの。  第一章は、猫が鼠を退治する場面で、絵本を読んでいるように面白く読みました。第二章から、鼠を捕まえた猫が武士・勝軒に武道(人生)の心得を指南します。老荘思想に沿った内容で、「人は『ここ』『そこ』と場所を決めるが、地面は同じ一つ」と知ることが重要ということのようです。  剣聖・山岡鉄舟の愛読書で、彼は「自己あれば敵あり

          『猫の妙術』

          読書に便利なアプリ(「図書館日和」)

           読書するのに、重宝しているアプリがあるのでご紹介(図書の話でなくて恐縮です)。  「図書館日和」というアプリがあります。よく使う図書館を登録しておくと、一挙に在庫検索をしてくれ、そのまま予約もできます(いま、3つの区の図書館と近くの大学図書館を登録しています)。ここで見つからない場合には、「カーリル」で他区を探すこともありますが、基本的にこれで十分。予約すると図書館側で本を準備してくれるので、「ちょっと読んでみようかな」程度でも予約しておきます。  大型書店のアプリでは

          読書に便利なアプリ(「図書館日和」)

          「ソウルフル・ワールド」

           これほど観終わった後にも幸福感を感じ、人生観にも影響を与える映画はほかにないのではないでしょうか。東洋思想を取りいれ、村上春樹や『夢をかなえるゾウ』まで取り込んだとも思える設定で、メッセージ性、映像美、ストーリーとどれをとっても素晴らしいです。  2020年制作で、第93回(2021年)米アカデミー賞受賞(長編アニメ賞、作曲賞)。Disney+では配信されているものの、コロナ禍で一般上映が延期され、4月12日に満を持して上映開始。 “こんな魚の話を聴いたことがある。

          「ソウルフル・ワールド」

          「オッペンハイマー」

           「オッペンハイマー」をIMAXレーザーで鑑賞。前から3列目のど真ん中となり、没入感がハンバない。冒頭から緊張感満載でテンポが速く、あっという間の3間。ノーラン監督独得の時系列が交錯する仕立てとなっている上、量子科学者の名前や政治家なども複層的に登場し、これからご覧になる方は事前の予習をお薦めしたい作品。  アカデミー賞7部門受賞には十分納得できる作品。ただ、日本人としては少々複雑な思いにもなり…、金子みすゞの詩を思い浮かべながら観てしまいました(根暗な性格)。  朝

          「オッペンハイマー」

          呑川緑道の桜

           近くの呑川緑道の桜が見頃とのことで、散歩がてらに散策。呑川に沿って、桜が延々と続いている。目黒川ほど知名度がないためか人はまばらで、近所のお散歩コースという感じ。終点近くにある桜神宮では、若い人たちが長蛇の列。桜のお守りを買うためのようだが、何かレア物なのだろうか…。

          呑川緑道の桜