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『マネーモンスター』(黒木 亮 著)

『マネーモンスター』 黒木 亮 著

 これは面白いです! 真山仁氏の「ハゲタカ」シリーズは通読しましたが、黒木亮氏の「カラ売り」シリーズは初めてで引き込まれました。

 パンゲアというカラ売り屋の活動を、「ミスター液晶(液晶バックライト)」「水素トラック革命(水素自動車)」「地銀の狼(ス〇ガ銀行)」の三本立てで描いています。それぞれ独立しており、短編としても読めますが、前者2作は、かつて携わった業務内容であり、また最後は最近話題になった「ス〇ガ銀行」の話でもあり、いずれも一気読みコースでした。

 「VIVANT」でもカラ売りは取り扱われていましたが、何となく悪者イメージ。しかし、こちらのカラ売りは、不正を問い質す一手法として正義の味方的に描かれています。さらに、中国の出入国管理法、米国の(日本にはない)「内部告発者報奨金プログラム」、米国において上場企業が激減している背景など、あまり新聞などでは知らされていない内容も書かれています。

 経済小説ですが、企業が事業と財務の両輪で回っていることが実感できる一冊です。

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