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『首里城と沖縄戦』(保坂 廣志 著)

『首里城と沖縄戦』 保坂 廣志 著

 今年、沖縄に行き、修復中の首里城も訪れました。その地下に司令壕があったとの説明を何となく受けたのですが、「立入不可」でそのままスルー。それから書店で本書を見かけ、首里城の思い出ついでにと読んでみたのですが、本日(終戦の日)の投稿にふさわしい内容でした。

 県民を守るどころかスパイ容疑で追い詰め、厳重に機密を守るようにと県民を拘束しながら地下壕に暗号表を残したまま「夜逃げ」。暗号表がそのまま米国に渡り、その後の日本の内情はすべて米国に筒抜けとなる「大失態」など、著者は琉球大学の元教授であり、割り引いて読むべきと思いつつも、読めば読むほど頭を抱えたくなる惨状です。

 「沖縄県民斯ク戦ヘリ」と自決前に中央に打電したのは海軍司令官ですが、こちらは陸軍司令部のお話。沖縄では陸軍の評判がすこぶる悪いと聞いてはいたのですが、「これじゃあ…」と納得してしまいました。米国の資料も多数引用されており、その違いがわかる一冊です。

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