「ラッキー」

「嘘だろ」
 脳みそをかき混ぜられるような感覚を抱いた。

 少し前、適当にネットで売った石ころと水が売れたのだ。

 ちょっと飾りをつけた石ころとパッケージが洒落たを販売したら爆売れした。

ネットの情報を調べてみるとどうやら有名女優や俳優、インフルエンサー達がこぞって可愛い石を持っているらしい。

 僕はその波に知らず知らず乗っていたという事だ。

 通帳には今まで見たこともない程の数字が刻まれていた。

 この瞬間、僕の中で何かが弾けた。

 一年後、僕は小さなアパートの一室から都内のタワーマンションに引っ越していた。

 爆売れして以来、売り続けて今の地位に至ったのだ。

 金に糸目はつけない僕は自由を手に入れてやる。

 すると突然、見知らぬ電話番号がかかってきた。疑問に思いつつ、出てみることにした。

「すみません。国税局です」
 自分の中で何かが崩れていく気がした。

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