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大腿骨近位部骨折後の身体活動量と回復度合い
📖 文献情報 と 抄録和訳
大腿骨近位部骨折から回復した高齢者の運動パターン
📕Kraaijkamp, Jules JM, et al. "Movement Patterns in Older Adults Recovering From Hip Fracture." Journal of Aging and Physical Activity 1.aop (2024): 1-9. https://doi.org/10.1123/japa.2023-0090
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[背景・目的] 本研究の目的は、大腿骨近位部骨折から回復した高齢者の身体活動と座位行動を定量化し、運動パターンに基づくグループを同定することであった。
[方法] この横断コホート研究では、大腿骨近位部骨折の術後3ヵ月の高齢者(70歳以上)を対象とした。患者には加速度計を7日間装着した。人口統計および身体機能、運動機能、認知機能、QOL、大腿骨近位部骨折に関する転帰が評価された。
✅ 主成分分析による身体活動量に基づいたグループ分け
<グループ1: 低活動グループ>
・1日の平均活動時間が最も短いグループ。
・被験者はほとんど座位時間が多く、活動量が少ない。
・回復が遅れている、または問題がある可能性がある。
<グループ2: 中活動グループ>
・1日の平均活動時間が中程度のグループ。
・被験者は歩行や軽度の運動を時々行うが、座位時間も比較的多い。
・回復は進んでいるが、まだ改善の余地がある状態。
<グループ3: 高活動グループ>
・1日の平均活動時間が最も長いグループ。
・被験者は通常、歩行や軽度の運動を頻繁に行っている。
・回復が順調に進んでいることを示す。
![](https://assets.st-note.com/img/1718050063389-zrAvPMst4v.jpg?width=800)
[結果] 加速度計の装着時間が十分であった43人の患者が対象となった。全群を通じて、参加者の身体活動レベルは非常に低く、平均11時間/日を長時間の座位行動に費やしていた。座位時間は回復の進行度と負の相関があった(r=-0.5, p<0.01)。身体活動が多いほど回復が早く、座位時間が長いほど回復が遅いことが示された(SPPB, FAC, TUG, FES, EQ-5Dなど)。
[結論] 主成分分析から抽出された成分に基づくと、身体活動レベルと座位行動のレベルに実質的な差がある3つのグループを区別することができた。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
鶏が先か、卵が先か。
相関関係と因果関係は違う。
今回の抄読研究では、横断的に大腿骨近位部骨折者の身体活動量と様々なパラメータを調査し、身体活動量が回復度合いと関係があることを明らかにした。
しかし、この意味づけが難しい。
回復度合いが良かったから、身体活動量が結果として大きくなっている。
or
身体活動量が大きかったから、回復度合いが高くなった。
このどちらなのだろうか。
この部分に答えを与えるためには、どうしても縦断的な研究、介入研究が必要になる。
身体活動量を増やすことで回復度合いが高まるのならば、やはり身体活動量への介入は有効となるだろう。
この領域の研究に目を光らせておきたい。
物事の原因を理解できた者は幸運である
ウェルギリウス
⬇︎ 関連 note & 𝕏での投稿✨
📕大腿骨近位部骨折後(HFs)の身体活動量(PA)と回復度合い
— 理学療法士_海津陽一 Ph.D. (@copellist) June 10, 2024
・43人のHFs者をPAに応じて3群
・手術3ヶ月後にPA, 回復度(SPPB, FAC, TUG等)を調査
🔹全体で平均11時間/日の座位行動+
🔹座位時間は回復度と負の相関+
🔹身体活動が多いほど回復が早かった
やはり身体活動量は重要そうですが,因果は不明です😲 pic.twitter.com/SfGYoQtnSH
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