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2型糖尿病 × 心血管疾患リスク


📖 文献情報 と 抄録和訳

2型糖尿病患者における心血管および腎臓のリスク:過剰脂肪率をより重視した現代的理解

📕Sattar, Naveed, et al. "Cardiovascular and Kidney Risks in Individuals With Type 2 Diabetes: Contemporary Understanding With Greater Emphasis on Excess Adiposity." Diabetes Care (2024): dci230041. https://doi.org/10.2337/dci23-0041
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Not applicable

[レビュー概要] 臨床的、疫学的、合併症の傾向、遺伝的、治療効果など様々な角度から得られた多くのエビデンスは、2型糖尿病に関連する多くの合併症をより確実に治療し予防するためには、他の確立されたCV危険因子に加えて、過剰体重を積極的に標的とする必要性を示唆している。

■ 2型糖尿病と心血管疾患リスクの経年的変化
(1) 異所性脂肪レベルが上昇すると、いくつかの心血管疾患リスクの危険因子が増加し始めるので、耐糖能異常のある人では絶対リスクがすでに上昇している。このようなリスクは、この範囲のグルコースレベルによって最小限に付加されるように見えるだけである。
(2) 糖尿病の診断が遅れると、より高いグルコースレベルに長期間さらされることになり、動脈硬化のリスクが加速される。
(3) 幸いなことに,少なくとも高所得国では,より多くの人々が真の糖尿病発症後早期に診断されるようになり,より高いグルコースレベルにさらされることが最小限に抑えられ,その後,スタチン,血圧降下薬,経口抗高血糖薬の迅速な開始により,心血管疾患リスクはさらに有意に低下する。
(4)若年での2型糖尿病の発症は,異所性脂肪の蓄積がより急速であることを意味するので,心血管疾患リスクはより早く上昇し,グルコースレベルは診断後より早く上昇することが多い。この考え方は、若い年齢で2型糖尿病を発症するためには平均してより多くの体重を増やす必要があることと一致している。
(5)最後に,診断時の2型糖尿病は平均的には心血管疾患リスクは有病者ほどではないが,糖尿病罹病期間が10年以上経過するとおおよそこのレベルに近づく。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

糖尿病というのは、本当に恐ろしい疾患だと感じる。
万病の元というか、あらゆる疾患リスクとリンクしている。
今回の抄読論文は心血管疾患リスクとの関わりを経年的変化のわかりやすい図とともに示してくれた。

この図から分かるのは、月並みだが早期発見、早期介入が重要!、ということだ。
特に、糖尿病と心血管疾患リスクの関連を考えたときには、若年者ほど気をつける必要があるかもしれない。
この視点は、今までの自分にはなかったので、今後の臨床に向かう姿勢に影響を与えそうだ。
今回の図の中に、理学療法がどのような影響を及ぼせるのかという情報を、加えていきたい。

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