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【K2Pのからくり】宣言効果:まず約束してはじめる

■ からくりの内容

- 心理学の世界では、コミットメント、つまり、周りの人に自分の目標を宣言すれば、その達成確率が高まることが証明されている。
- これを「宣言効果(コミットメント効果)」と呼ぶ。
- 方法は以下の通り
①将来の自分の行動目標を明確にする
②直接的な言葉やSNSへのメッセージ投稿で宣言する
📗【がんばらない戦略】ステップ6:やろうと決めたことは宣言して予約する;コミットメント効果を活かし切る

📖 エビデンス

📕エッセイ論文①:プレコミットメント戦略(人々がある行動をとることを約束する方法)
- 人はしばしば、ある目標(例えば、飲酒や喫煙をやめる、生産的な活動をする、お金を節約する)を持っているが、自分の行動がその目標に達していないことがある。
- もし、禁煙プログラムのような特定の行動を取ることを事前に約束すれば、目標に沿った行動を取る可能性が高くなる。
- 特に、将来のある時点で具体的な行動を約束することは、行動の動機づけとなり、先延ばしを減らすことができる。
● Sunstein, Cass R. Journal of Consumer Policy 37.4 (2014): 583-588. >>> doi.
📕 研究①:コミットメントと行動変容に関する研究のメタアナリシス
- 人はある行動を約束すると、その約束を守り、長期的な行動変容をもたらすと考えられている。
- この論文では、コミットメントが有効かどうか、なぜ有効なのかを調べている。
■ 結果としてわかったこと
- コミットメントを行うことで自己概念、態度、規範に関連する心理的プロセスが活性化され、これらのプロセスが個人の新しい行動を維持する動機付けになるという証拠がかなりある
- これらのプロセスは独立して研究されているが、相互に支援し合っていると見なすことができる。
- 自己概念、態度/認知、個人的/社会的規範の変化はすべて、自発的なコミットメントを行うことで、一貫性を求める個人的な欲求や、一貫していると他者に見せるための懸念が顕著になるという考えを反映している。
- 認知は、態度-行動の一貫性を支え、道徳規範を強化し、自己を肯定的に見るためのものとして活性化できる。
- 最終的には、内面化が起こり、個人的で持続的な感情や信念に動機づけされた行動がもたらされる可能性がある。
● Lokhorst, 2013 >>> doi.
📕 研究②:コミットメントに他者を巻き込むとより効果的
- 個人計画、二人計画(共同計画のみで共同行動はなし)、共同計画(共同計画と共同行動の実施)が二人組の座位行動に及ぼす効果を評価した。
- その結果、共同計画 & 共同行動で座りがちな行動の時間が減少した(加速度計で測定)。
- 個人および二人一組の計画のみは、座位時間に影響を与えなかった。
- 自分の計画を他人に宣言するコミットメントレターやゲートキーパーとして他者に管理を依頼することなどが紹介されていた。今回の論文が示したことは、「計画を立てたり共有したりするだけでは効果は小さく、『一緒にやる』ことにこそ効果がある」だ。本気で何かを続けたい、そう思ったなら、誰かを巻き込み、『一緒にやる』ことが強く推奨される。
● Szczuka, 2021 >>> doi.
📕 研究③:宣言するなら、より質の高い(具体的で現実的な)宣言をせよ
- 326のRCT試験の研究計画を対象として、その未完率や条件を調査した。
- その結果、5件に1件(21%;70/326件)の試験が10年後も未発表のままであった。
- また、試験プロトコールの報告品質が低いことは非公表と関連していた。
- 良き計画の宣言は、良き実りを約束するらしい。
- SMARTの法則を満たすような宣言が良いのだろうか・・・(🌱 >>> note.)?
● Speich, 2022 >>> doi.
📗 書籍①:【独学大全】社会的なオデュッセウスの鎖(オデッセウスの鎖)を自らつくる
- この人間の仕様を突きつけられ、しかし受け入れることで危機を乗り越えた人物に、ホメロスがうたう『オデュッセイア』の主人公、智将オデュッセウスがいる。彼は物理的な縛めにより、破局的な結果につながる意思の変化を乗り越えた
- 理想の自分や望む行動を宣言して、自らを向かわせる行動を「オデュッセウスの鎖を自らつくる」と呼んでいる。
✅ オデュッセウスの鎖とは
- 『オデュッセイア』は『イーリアス』とともにホメロスの作として伝承された古代ギリシアの長編叙事詩。
- トロイア戦争の英雄オデュッセウスが、その勝利の後に故国に凱旋する途中に起きた10年間の漂泊を物語ったもの。オデュッセウスは、キルケーの忠告に従い、部下たちの耳の穴を蜜蝋で塞ぎ、また部下たちに命じて自分の手と足を帆柱の根本に縛りつけさせた。
- 人を誘惑し、惑わせる海の怪物「セイレーン」の島に近づくと、その歌声に魅了されたオデュッセウスは縄をとき自分をセイレーンのもとに行かせるよう叫んだが、部下たちは事前の指示を守り、一行は無事セイレーンの島を通り過ぎることができた。
● 独学大全 >>> Amazon.

🌸 からくりを用いることで期待される効果

- 宣言しようとすることで、ある程度質の高い行動目標を立てようとする
- 実際に宣言することでいくつかの仕組みが働き、自分を行動に駆り立てる
- その結果、実行率が高まり夢や目標が現実になる可能性が高まる

😊 Super Human's Voice

- 自分自身の声で発した宣言は、自分自身に怠惰を許さない「鎖」となり、自分自身と研究の存在を知らせる「狼煙(のろし)」となり、岐路を選択する際の「地図」となる。
- ゲーテはこう言っている「隣人たちと交際する場合、彼らの現場に沿った交際をするのでは、彼らをますますダメにするだけである。彼らが実際よりも優れた人物であるかのように応対してはじめて、われわれは彼らをよりよき人物とすることができる」
- その『彼ら』を自分に置き換えてみよ。自分を実際よりも優れた人物のように応対し、宣言してはじめて、われわれは自分をより良き人物にすることができるのだ。

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