学校に行かないという選択。「僕はきっと旅にでる。神様の宝石でできた島へと。」
長男がひとり旅に出た経緯は、こちらのnoteに書かせていただいています。
長男が、ひとり旅に出た。
12歳だった彼は、13歳になって帰ってきた。
初めてひとりで乗る飛行機も、初めて会う沖縄でお世話になる家族の方々との時間も充実したものだったようだ。
帰宅しての第一声は、「沖縄に住みたい。」だった。
余程、沖縄が気に入ったらしい。
私は長男が1歳9ヶ月くらいの時に、夫のお年玉企画で、美ら海水族館を中心とした沖縄旅行に行ったことがあるだけだ。もちろん、長男の記憶には残っていない。1月だったので、想像していた沖縄よりも相当に寒く、海も冷たかった。それはそうだ。1月は、沖縄だって冬なのだ。
それから10年以上。とっとことっとこ可愛らしく歩いていた長男が、次に沖縄を訪れる時は一人旅になる、などとは誰も想像していなかった。
沖縄までの約4時間のフライトも、行きは窓際の席だったようで、窓からの景色を撮影したり、数冊持っていった本を読んだりして、満喫していたようだ。
那覇空港では、沖縄に長男を誘ってくれたアーティストの方が娘さんと迎えにきてくれていたとのこと。
その日はやや雨模様で、近くの森を散策したり、鳥が集まる大きな池を見に行ったりしたそうだ。
そして、市場でイカスミ汁を食べたのだそうだ。
イカスミといえば、長男の中では某イタリアンファミリーレストランのイカスミパスタが口に合わず、「嫌いな食べもの」として認定されていたが、沖縄で、イカスミ汁をいただいて、イカスミのイメージは上書きされたようだ。
他にも、豚足やマグロステーキ、海ぶどう、沖縄のおでん、月桃の葉で包まれた黒糖で甘みをつけたお餅、沖縄そば・・・美味しいものをたくさんいただいた長男。
食べ物の話ばっかり。
流石、食いしん坊家族の一員。
食とは、その土地の歴史を感じる大きな要素だと思っているので、
沖縄の物をたくさん食べさせていただけたのは、長男にとって、言葉を越えて、沖縄を感じることでもあっただろう。
あちらのご家族も、短い期間に沖縄を味わえる工夫を沢山してくださったのだと思う。ありがたいかぎりだ。
おきなわワールドという観光スポットにも連れて行っていただいたそうだ。
鍾乳洞や沖縄在来の生き物を観察することが出来て、長男も興味深かっただろう。
帰宅してから撮影した写真や動画で生き物や鍾乳洞の説明してくれ、家族向けの上映会が開かれた。弟妹たちも、「わ~!」「沖縄行ってみたい!」と盛り上がっていた。
沖縄には、もう蝶が飛んでいたそうで、朝から虫捕りをし観察したり、
お天気が回復してから、海に泳ぎに連れて行っていただいたそうだ。
北海道とは違う、珊瑚で出来た砂浜。透き通った海水。
「沖縄には、神様がたくさん住んでいるみたいだよ。」
彼は、帰宅してそう語った。
アーティストの方から、沖縄では、敢えて神社を造らない、自然の中のあちこちに神様が宿っているから、と聞いたそうだ。
一度しか会ったことが無いにも関わらず、長男をご自宅に招いてくださったアーティスト御一家のお心遣いにより、彼の旅は充実したものだったと思う。
彼の沖縄の話を聴いていて、思い出した曲があった。
今は解散してしまった「THE BOOM」の「神様の宝石でできた島」だ。
久々にこの曲をYOUTUBEで聴いた。
この旅は彼の体験であり、私が聞いた範囲でしかないので、お世話になったアーティストの方からのメールや写真、長男の話や写真を元に組み合わせたものであって、想像の域を出ない。
しかし、彼が沖縄での出来事を話す時、そこに「神様がいる」と感じてきたのだ、ということだけが私にわかるのだった。
私も、神様の宝石でできたこの島をまた訪れたいと思っている。