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マウントクックでトレッキング

休日、マウントクックのデイツアーに1人で参加しました。
テカポを早朝出発し、マウントクックのトレッキングコース入り口まで小型バスで送迎してくれる、車を所有していない私にとって、有難いサービスでした。

他のツアー参加者は3名で、中国の女の子、マレーシアの男性、そしてアメリカの男性でした。
そしてなんと、ドライバー兼ガイドさんが、日本人男性でした。
道中、車内ではテカポやマウントクックについて、英語で詳しく説明してくれたり、ツアー参加者に順番に話を振ったりしてくれました。
有難いことに日本人だからか、英語でも聞き取りやすく、90%くらい理解出来ました。

途中で広い湖や、川、軽いトレッキングコースなどで止まってくれました。
他の参加者たちと少し話したり、景色をぼうっと眺めたりしました。

軽いトレッキングは、階段をひたすら登ってマウントクックを眺める15分程のコースでした。

アメリカから来た男性と一緒に話しながら登りました。
彼はニューヨークで生まれ育った超シティーボーイで、主に高校でスペイン語の教師として9年間勤め、退職して世界中を旅行中でした。
彼の英語は聞き取りやすい部類なのですが、何せネイティブスピーカー、スピードが速く、たまに理解出来ませんでした。
しかし、明るくて人生経験豊富な彼とのお喋りはめちゃくちゃ楽しかったです。
彼は他の旅行客にも自らスペイン語で話しかけ、楽しそうに会話していて、スペイン語もネイティブレベルですごいと思いました。

「君はここに来る前、日本でどんなことをしていたの?」
ありのまま、専門学校卒業後に就業した、4つの仕事を簡潔に説明しました。
自分のやりたいことが分からず、短期間で転職を繰り返していたのです。

「いろんな職種の経験があるんだね」
そう言ってくれました。
しかし、どれも「これをやりたい!」と思って就いた職ではなかったので、彼のように胸を張って「これをやってきた!」とは言えませんでした。

なのでなおさら、自信たっぷりに「これをやってきた!」と話してくれた彼が、羨ましかったです。

これからやりたいこと。
ワーホリに来て、そして旅をして、ようやくいくつかぼんやりと見えてきました。
それを明確にし、実行し、「これがやりたくて、今これをしているんだ!」と、胸を張って言える人になりたいです。


いよいよ、目的のトレッキングコースに到着。
ホッカーバリートラックという、マウントクックで1番有名なコースです。
やはり人気で、大勢の人が歩いていました。こんなに人が多いトレッキングは、初めてでした。

1人で歩きたかったのですが、トイレに行って出たタイミングが同じだったので、アメリカ男性以外の3人で歩きました。
マレーシアでは中国語も公用語のため、2人は中国語で会話していたので、私は少し距離を開けて後ろを歩いていました。
2人共良い方なのですが、中国語の響きがあまり好きではないのと、ほぼずっと歩きスマホをしながらトレッキングしていたのが気になってしまいました。

前日に雪が降ったため、雪景色がとてもきれいでした。


最終ポイントに辿り着き、ランチタイムを終え、アメリカ男性と再開。
彼は先に着いてキウイのご夫婦とランチを食べ終え、私たちを探していたところでした。

私のスマホが古すぎて、逆光でマウントクックの写真が撮れないことを知ると、何と彼のスマホで何枚も撮影してくれました。
そして4人で来た道を戻りました。

途中までアメリカ男性と話しました。
彼はフランツジョセフに既に旅行していたので、ロバートポイントウォークというトレッキングコースの話で盛り上がりました。

「あこの吊り橋、めちゃくちゃトリッキーだよね!」
「超狭いし、危険な吊り橋ですよね」
「でも君は好きでしょ!バスで、スカイダイビングとバンジージャンプしたって言ってたから」
「さすが、よく分かってますね!」

途中、滑りやすくなっている坂道がありました。
私たちの前を40代半ばくらいの女性が、端っこの岩に手をつきながら、恐る恐る下っているところでした。
アメリカ男性は道の真ん中をすーっと楽しそうに滑り降り、すぐに彼女に手を貸していました。
私も彼を真似て滑り降り、滑らない少し離れたところから皆を待ちました。
彼はマレーシア男性、中国の女の子が岩を伝い下る手助けも、当たり前のようにしていて、その姿に大切な事を学ばせてもらいました。

「自分にとって怖くないことが、誰かにとっては怖い。だから助け合える」
こんなことが頭に浮かびました。

自分の得意なこと、好きなことで、誰かを当たり前に助けられる人になりたい、と思いました。

また、口先でなく、行動によって人に何か教訓を与えられる人。
「すごい、私もそうなりたい!」と感じました。
その出来事が、かなり強烈に記憶に残りました。

トータルで往復3時間程でした。
集合時間までまだ余裕があり、アメリカ男性がケアトラックという、1時間程のコースに行くということで、私たちも誘ってくれました。
私とマレーシア男性が参加決定、少し急ぎ目でトレッキングスタート。
意外と短く、そして人ががくっと減り、最終ポイントでは最高の景色で、正直私はケアトラックの方が好みでした。

圧巻の大自然をゆっくり満喫し、集合時間ぴったりくらいに戻りました。

マウントクック近くの小さな村でストップし、ビジターセンターを散策。
実家のお土産として、マウントクックリリーという品種の、花の種を購入。
日本できちんと育つかは謎ですが、可能性に掛けてみることにしました。

集合時間より早めに駐車場で待っていると、ドライバーさんが話しかけてくれました。
彼は9年間テカポに在住しており、最初は私と同じワーホリビザで来たと言っていました。
長い間ニュージーランドに住んでいる日本人とお話しするのは初めてだったので、面白かったです。

アメリカ男性が次に戻ってきて、車内で一緒に待っている時にインスタを交換しました。
撮影してくれた写真をすぐに送ってくれました。
彼は10月に日本に旅行する予定なので、会えたら会おうね、と言い合いました。

1日を通して彼との会話は、たまに聞き取れなかったり、変な返しをしてしまったりもしました。
しかし、やっぱりそれでも「この人と話したい」と思い、話し続けたのです。
こんな感覚はすごく久しぶりで、自分でも驚きました。
それだけ私にとって彼は、人間的な魅力がありました。

多分私のその「もっと話したい!」という情熱を分かってくれたのでしょう。
私が変な返しをしても、言いたいことが上手く言えなくても、会話が食い違っても、話してくれました。

人とコミュニケーションをとる時、重要なのは、情熱。
もちろん英語がペラペラな人、コミュニケーションスキルが高い人、それも素晴らしいことだと思いますし、少し前まで私もそうなりたいと思っていました。
しかし自分に足りなかったのはスキルとか以前に、心の部分が大きかったんだ、と気付きました。


皆揃い、テカポへ出発。
ドライバーさんが、翌日オーロラが見れるかもという情報を教えてくれました。
帰りはそれぞれのアコモデーション前まで送ってくれました。

アメリカ男性が1番最初にバスを降りました。
降りるときに皆に向けて「bye, guys!」と声を掛けてくれ、私ともしっかり長めにアイコンタクトしてくれました。

彼との出会いは、間違いなく素晴らしいものでした。
多くのことを気付かせてもらい、心から感謝しています。

ニュージーランドで有名なマウントクックでトレッキングできて、素晴らしい1日になりました。


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