経営のお悩み相談14|資金を出し合っての開業について

「サンカラ」の税理士の柿本です。

だいぶ夜風が涼しい季節になってきましたね。
税理士としてはそろそろ、年末調整や確定申告の足音が聞こえ始めてくる頃です。

さて、今週は、メルマガ読者のみなさんからいただいたご質問に専門家が答える、Q&Aの時間です。

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ペンネーム メロンソーダさん(個人事業主・飲食業)からご質問をいただいております。

さっそくご質問を見ていきましょう。

質問内容

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飲食店を友達含め4人でやる予定なのですが、私が代表者で個人事業主として始める予定です。

その他の3人は私に出資金としてお金を100万円ずつ渡してくれています。

株式会社ではないので出資金扱いにはならないかもしれませんが、今後運営をしていく上で、法律的・税務的な観点から問題は起こりそうでしょうか?
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飲食店の開業資金を出し合って事業を開始しようとされているのですね。

法律的・税務的にどういった点が問題になりうるか、弁護士の瀧澤さんと一緒に回答していきます。

【法律の観点】

前提として、3名(b、c、d)は、代表者(a)に100万円ずつ渡すだけで、飲食店の運営には参加しないという前提でご回答します。

「貸付け」か「出資」か

3名(b、c、d)から集めた300万円が飲食店の運営原資となりますので、なによりもこのお金を確保することが重要になります。

つまり、3名(b、c、d)から100万円ずつ集めたお金の性質が、貸付けなのか、利益配当を前提とした出資なのかを明確に区別する必要があります。

貸付けであれば、飲食店の運営により利益を得られていなくとも返還する必要があります。他方で、出資であれば、利益が生じたときにb、c、dへ配当することになります。

そのため、b、c、dから集めた300万円が、貸付けなのか出資なのか、については契約書等で明確にしておく必要があります。

その上で、仮に貸付けとする場合には、返還期限の合意をしておかないと大変なことになりますので、以下その点を解説します。

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