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僕が職場でADHDを隠している理由(配慮事項が分からない)

「発達障害なら、そう言ってくれたら良いのに」と聞くたびに、心がざわつく。僕がADHDを隠して働いているからだ。
一方で職場で人事労務を担当している身としては、打ち明けてもらいたいという、企業側の立場も分かる。
それなら、どうして僕は打ち明けたくないのか。どうしたらカミングアウトしたくなるのか。
今回は、ADHDを秘密にしてきたからこその、課題について考えた。
※下記の記事の続きです。

自分でも何をしてもらいたいか分からない

そもそも、職場に何を配慮して欲しいかが分からない。
なまじっか、今まで隠してきたので、わざわざカミングアウトしてまで求めることが思いつかないのだ。仮にサポートを得られたとして、活躍できる保証もない。

もちろん、これまでADHDの特性には、嫌ってほど苦しめられてきた。

注意力が致命的なので、社内チャットの宛先ミスや、給与計算の誤りなんて、日常茶飯事。
電車の乗り間違えと乗り過ごしが多すぎて、通勤でさえ危うい。
カバンの中がぐしゃぐしゃで、よく社員証、スマホ、財布がカバンの中で行方不明になる。加えて名刺や領収書は、クシャクシャになってて、見るも無惨な姿だ。

多動故に、根回しや上司への豆な報連相ができず、思いつきで話しを進める。あるときは、係長級や課長級をすっ飛ばして、いきなり役員に提案したことさえあった。
会議では人の話をじっと聞いてられず、さえぎりがち。

「誰にでも当てはまるのでは?」と指摘されそうだけど、それはぼかして書いているから。実際、その頻度とやらかし具合の重さは、健常者のそれではない。

こういった特性も、薬(ストラテラ・コンサータ)の増量や言動を見直すことで、どうにか改善してきた。周囲の方々の支えも、当然あっただろう。

例えば注意欠陥に対しては、強迫性障害を疑うくらい、しつこく確認するし、とにかくExcelの関数を組んだりしてミスを防いできた。
やるべき仕事を忘れないように、メモ帳は常に画面に開きっぱなし。いちいちログインが必要なタスク管理ツールや、すぐに紛失する紙のメモ帳は、僕にとってあてにならない。

多動に対しては、思いつきのアイデアは基本的に一晩寝かせる。僕の多動には、周囲にとって迷惑でしかなく、ニーズも無いからだ。

薬の副作用に耐え、特性を徹底的に抑え込んで、ようやく人並みに以下。それでも何とか「発達障害者」から「無能な人」レベルに昇華できた。

だからこそ、今になって「何を支援して欲しいですか?」と聞かれても、僕は困ってしまうだろう。
Factが僕だけなので断言できないが、僕以外にクローズ就労している方々も、同じように感じるかもしれない。

まず配慮事項を言語化させて欲しい

それでもカミングアウトして欲しいなら、まずは職場で何に困っているかを言語化してくれる人が欲しい。
なにせ目に見えない障害なので、僕が人に説明できないと、周囲も配慮しようがないからだ。
それに、僕自身も何に苦労しているか、もはや分からないときもある。

なので、僕の困りごとや配慮して欲しいことをヒアリングしてくれる人を、会社側で用意してくれたら、と思うことがある(えらく費用の掛かる人材だけど・・・)。
あ、あくまで僕だけの感想なので、他の方には当てはまらないかもしれないです。

他にも理由があったら、続きを書こうと思う。

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