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ちょうどいい加減って、なんだろう│#10

もともと完璧主義で肩に力が入りすぎてしまうタイプではありましたが、うつ症状で苦しんでいた頃は特にいろいろなことが「行き過ぎて」しまって大変でした。

いま思い返せば、ふっと力を抜いたほうが水面に浮上しやすかっただろうし
何も考えずにのんびり過ごしたほうが、体調の回復も早かったのかもしれませんが

「休職期間を挟んでも、自分自身が変わらなければまた同じことになる」という不安があったので、当時はとにかく手当たり次第“改善すること”に必死でした。


本を読むのを止められない

父親と衝突して家に居ることができなくなったわたしは、一人暮らしをする姉の家に一時的に置いてもらうことになりました。

「とにかく自分を変えなければ」と、スーツケースを引きずりながら書店で買い込んだ本は20冊。健康、自己啓発、脳科学、キャリアなど、さまざまな種類の本を選びました。

しかし、うつのときは脳が疲弊した状態になっていて、思考力もかなり鈍っているので
気づきを得るための読書なんてもってのほか、集中して一つのことに向き合うのは相当なパワーが必要でした。

それでも「改善したい」気持ちがおさまらず、起き上がる気力がなくなるほどページをめくってしまい、気づいたときには床に突っ伏している……ということがよくありました。


お風呂の温度が分からない

「汗をかいてデトックスしよう」と浴槽にお湯を張ったのはいいものの、適温が分からなくなり困ることもありました。

暑い日なのに高温に設定してしまったり、真っ赤になるほどのぼせているのに「もう少し浸かったほうがいいのかな?」と思って出られなかったり。

「お風呂に入る」なんて、いままでは無意識にできていたはずなのに……。日常の些細なことでさえ適切な判断ができなくなって、悔し泣きしたのを覚えています。


散歩のやめ時が分からない

体調が比較的いい日は、軽い運動をするために散歩に出かけていました。
しかし、時間感覚や距離感覚がおかしくなっているため、気づいたら2時間近く歩いてしまうことも。

自分の体力で、何分間外に出ていられるのか? ということや、道の途中のどこで引き返したらいいのか? ということが分からず、外が暗くなる頃には全然知らない場所にたどり着いている……なんていう出来事もありました。


黒い犬の動画を観てもらう

上記のような毎日を過ごし、芯から疲れ果てていたわたしは、忙しい姉が帰宅してもぐずぐずしているばかりで。

そんな様子を見て「はやく資格でも取って転職しなよ」と呆れられると、勝手にプレッシャーを感じて涙をこぼしていました。

そんなときに役立ったのが、黒い犬の動画でした。うつのリアルや苦しみを代弁してくれるアニメーションです。

「いま、まさにこんな状態なんです」「いつものわたしとは違うので、そっとしておいてください」ということを的確に伝えられるツールで、とても助けられました。

また、姉はお酒が好きな人なので、ネットで見つけた以下の表現をLINEで共有していました。


「うつになると、ものすごく酷い二日酔いのような状態が続きます。

絶望的に体調が悪くて、起き上がるのも億劫で、なんであんなに飲んだんだろう? と自分を責めて後悔ばかり。

気持ちが沈んで眠れず、食欲はわかず、何もする気がなくなります」


苛立たせてしまったり、衝突したりする(というかわたしが殻に閉じこもってしまう)ことは多々ありましたが

動画やweb記事などの力を借りつつ、段々と理解してもらえるようになったのでとてもありがたかったです。

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#社会人1年目の私へ のハッシュタグキャンペーン、今日が締め切りなのか……!

この企画があったからこそ、勇気がなくてなかなか踏みだせずにいた「メンタルヘルスにまつわる発信」をはじめることができました。

noteさんとキリンさんに背中を押してもらえて(一方的にそう感じているだけだけど笑)本当によかったです。機会とか、枠があるからこそ動き出せることってあるよね。

もう企画は終わってしまうけれど、このハッシュタグを付けて引き続き書いていこうと思います!

たいへん励みになります!心のなかでスキップをしつつ、チョコとアイスを美味しくいただきます!