ナンセンスを扱いたい
「しいたけ占い」が好き。
VOGUE GIRLに掲載されている占い師・しいたけ.さんによる占いなのだけど、ただの星座占いと侮ることなかれ。その的中率はもちろんのこと、文章から滲みでる「応援」らしきメッセージ性というか、背中を押して寄り添ってくれる感じが好きで、毎週 気楽な気持ちで読めるのを楽しみにしている。
女の子の半数くらいは、きっと占いに行った経験があるんじゃなかろうか、と考える。
私はと言うと、高校生の時に「よく当たる」と噂だった占いへ、キャッキャッとはしゃぎながら友達と出向いたのが最初で最後。占いそのものよりも、そのあとのガールズトークが楽しかったな、という色鮮やかな思い出。
「自分の人生は自分で決めるわい」と思っているような無宗教人生まっしぐらの私でも、美容院で読む雑誌の巻末に星占いがあれば読んでしまうし、人から聞く「占い行ってきたんだけど話」は好き。私のように「全てを信じるわけじゃないけど、占いは好き」っていう人は多いと思う。
先日、友達とふたりで呑んでいた。26歳の独身女同士で話していると、「仕事」「結婚」が2大キーワードとなり会話が弾んでいくことが多いのだけど、その中でふと「占い行こうよ」というハナシに。お酒の勢いもあって行こう行こう!と盛り上がっていた折、友達はふと「占いに頼らないといけない人生になっちゃった」と言うので、その感覚というか感性というか思いみたいなものに、「確かに」と同調した。
これはもちろん「占いに頼る」ことがいけないとか、そういうことではない。「自分はこうする!」と絶対的に決めている時、占いはほとんど必要ない。自分の決断に自信がない時、背中を押してほしい時、漠然とした不安がある時、そういった時に手を差し伸べてくれるものだと思う。「決めるのは自分。でも、そのお手伝い」的な立ち位置で、自分を助けてくれるもの。そして共通の話題として人と楽しい時間を過ごせる、素敵なもの。それが私の中の占い。
そんなわけで今日は、占いにちょっとだけ背中を押された話。
冒頭の「しいたけ占い」に話を戻すと、つい最近「2020年下半期占い」が公開になった。正直なところ、当たっていると感じるところも当たっていないと感じるところもあるのだけど、それでも楽しく読めるので良い。そう、占いはエンターテインメント。こんなこと書かれてたわ~と時に笑い飛ばし、めちゃくちゃ当たってる!と時にゾワリとし、確かになあと時に納得させてくれる、コンテンツ。
下半期の占いにびびっと来た言葉があった。
「ナンセンスを扱うのが大得意」
それって、私のnoteのこと?笑
瞬時にそう思ってしまった。
確かに「風俗嬢」「エロ」「性」+「現役教師」という組み合わせはナンセンス。ちなみに「ナンセンス」とは、「無意味なこと、意味をなさないこと」「馬鹿げていること」という意味らしい。私がnoteを書いていることは、少なくとも私にとっては無意味ではないので、ここでのナンセンスとは「馬鹿げていること」になる。
確かに、馬鹿げている!
仕事でヘロヘロになって帰った真夜中に、だらだらと眠っていたい休日に、せっせと「風俗ネタ」を全世界に発信することは、馬鹿げている・・・!
でも私はバカなことをするのが好き。それも大真面目に。
仕事でも「こういうことをやりたい」と思ったら、ありとあらゆる理屈を並べて、説得して、上司にGOサインを出させるのが得意(ほんとにいつもごめんなさい)だし、これまでnoteに載せてきたエロネタだって風俗ネタだって、PCの前でたった一人、大真面目な顔して書いている。
馬鹿げたことにはロマンがある。
だれもやっちゃいない、「そんなことやったって仕方ないよ」と言われることにこそ面白さがある。「ナンセンス」が否定されるのなら、「無意味なこと以外は、やってはいけないのですか?」と思う。行動する理由なんて、「ワクワクするから」「おもしろそうだから」で、じゅうぶん。必然ばかり追い求めていても偶然は生まれない。偶然を追い求めれば必然ができ、また新しい偶然に出会う。
人生のほとんどは偶然のようなものだし、だからこそ楽しい。私も週に5日は雇われ人だから「安定」は捨てられない。でも安定だけを取るつもりもない。
「安全な道」には安全しかない。それ以上も以下もない。「行ったことのない道」には安全も危険も両方あるし、希望も絶望も快楽も苦痛もある。それ以上も以下もある。「ワクワクするから、覗いてみたい」のはもはや本能。止められない。
先日、生徒に「大人になりたくないです」と言われた。私は笑ってしまいそうになった。だって教壇に立つ私ですら、全然大人じゃないんだもん。
「大人って、なに?」と訊いてやると、生徒は困った顔になった。「みんな大人じゃないし、みんな大人だよ」と私が言うと「マクベスだ」と生徒は言うので、感性の鋭い子だなと思った。
生徒はその後、「知りたくない」と言った。「知りたくないことが多いんです」と。私は堂々と胸を張り、大丈夫だよ、と言い切った。(こういう時におずおずとした顔をしてはいけない。こちらの戸惑いや迷いを、生徒らは一瞬で見抜く。それは信頼とか信用に結び付くから、侮れない。)
「あなたが100歳まで生きたって、あなたはこの世の全てを知ることは絶対できない。だから安心して。」私があまりに堂々と熱弁したので、生徒は笑い転げて帰って行った。「そうですね」と気楽な面持ちで。
これからも大人な顔してナンセンスに生きたい。昼間はバカげた心で大真面目な仕事して、夜間はバカげたことを大真面目な心でやりたい。
だって、ナンセンスを扱うのは大得意だし。
私のナンセンスにお付き合いくださる画面の前の皆さま、いつもありがとうございます。敬具。
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