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枝川
2020年11月11日 16:29
平成の終わった年の冬、京都の繁華街にある店でのことでした。そこは酸味が爽やかなコーヒーを飲ませてくれるカフェとして知られているのですが、陽が傾き始めるとウィスキーを頼む客が増えてきて、夜にもなれば当時でもすでに珍しかった全席喫煙可のバーになる店でして、間口が狭くて見つけにくいし、夕暮れになると、周囲にある敷居の高めな老舗に灯が入ることから、賑やかな人たちが少し離れた別の界隈に流れていくので、遅い
お茶
2020年11月26日 03:10
え?意外。二人は結婚するんだと思ってた。午前二時、どこからか降ってきた声に抗うように、ニラを切る。ニラを切るのに必要ないくらいの力を込めて。ざく、ざく、ひとつに束ねられていても、ほら、いずれはバラバラじゃない。結局そうなんだよ。ニラを切り終えて、玉葱の皮を剥く。鼻の奥がツンとする。持っているエネルギー全てを包丁を持つ右手に集中させて、玉葱を切る。ざく、ざく、五回ほど包丁をおろしたところでじわ