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読書ノート

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本屋の息子なので、読書は今でも道楽の王道。 iPad のヘビー・ユーザーなので、僕のスタイルは、すべての本を裁断して、電子書籍化。 いつでもどこでも、マイiPad をスワイプしな…
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2024年3月の記事一覧

読書「よだかの星」宮沢賢治

読書「よだかの星」宮沢賢治

昨夜寝る前に、ひさしぶりに「青空文庫」を開きました。
すでに、パブリック・ドメインになっている作品に限りますが、昔の作品が無料で読めるのは魅力です。
つらつらとタイトルを眺めながら、目に止まったのが本作。
7ページ程度の超短編です。

よだかという醜い鳥が、それゆえに周囲から虐げられて、絶望しています。
鷹には、その名前を変えなければ掴み殺すぞと脅されます。
このまま生きていても辛いだけだと思った

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読書「土佐日記」紀貫之

読書「土佐日記」紀貫之

土佐日記は、平安時代の歌人・紀貫之によって書かれた日記文学です。
934年(承平4年)に土佐守として赴任した貫之が、5年間の任期を終えて帰京するまでの船旅の様子を、侍女の視点から記しています。
なかなか凝った構成で、著者の遊び心が感じられます。
国司の重責を果たし終えた紀貫之が、京都の家に戻るまでの道中を、いっちょ日記にでもして楽しんでやろうかという開放感が感じられます。
肩の力を抜いたユーモアあ

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読書「新版画作品集 懐かしい風景への旅」西山純子

読書「新版画作品集 懐かしい風景への旅」西山純子

江戸時代の浮世絵、明治維新以後の光線画など、木版画の歴史をさかのぼってきました。
個人的な興味をそそられているのは、美人画、風俗画ではなく、なんといっても風景画です。
当然、その後の大正昭和期の木版画の盛衰も大いに気になるところ。
写真でもなく、絵画でもなく、どうして木版画の感触になんでこれほど惹かれるのか。
とにかく良いものは良いというしかなく、これは説明のしようがありません。
個人的に、うすう

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