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イラスト映画劇場

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大学生の頃は、授業にも行かないで、情報雑誌「ぴあ」を片手に、関東一円の名画座を巡っていました。 サラリーマンになってから30年は、映画からは遠ざかっていましたが、定年退職後は、そ…
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2022年10月の記事一覧

第6作「男はつらいよ 純情編」

第6作「男はつらいよ 純情編」

さて、6作目です。

公開は、1971年。僕は小学校六年生で、この頃にリアルタイムで見ていた映画は、怪獣映画ばかり。
寅さんとは、映画雑誌家、街角のポスターでしか会っていないはずです。
前作「望郷編」で、本シリーズは終わりにするつもりの山田監督でしたが、寅さんファンたちがそれを許しませんでしたね。
公開を重ねるごとに、観客動員は、うなぎ登り。
「男はつらいよ」シリーズは、完全に松竹の稼ぎ頭になって

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刑事コロンボ 構想の死角 1970年アメリカ

刑事コロンボ 構想の死角 1970年アメリカ

「刑事コロンボ」シリーズは好きでしたね。
テレビ・ドラマでしたが、ほぼ映画と同じくらいのクゥオリティがありました。
「新・刑事コロンボ」まで入れると、60本以上の作品が作られていますが、やはり好きだったのは第一シーズンです。
当時はN H Kで放送されていました。
これも、後になって衛星放送で全作品オンエアされましたので、全て録画してあります。
「別れのワイン」や「パイルD 3の壁」など、印象に残

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映画「空飛ぶ生首」1960年アメリカ

映画「空飛ぶ生首」1960年アメリカ

Amazon プライムで見つけました。
B級ホラー映画は、決して嫌いではありませんが、これはB級にも届かないC級ホラーということになりますね。
お金がかかっていようといまいと、ホラー映画なのですから、怖ければ何も文句は言いませんが、恐怖演出があまりにも雑で、ギャグと紙一重。
原題は、”Tormented”ですから、まあ「悩まされた」くらいの意味ですが、これに「空飛ぶ生首」という邦題をつけたのは、明

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第5作 男はつらいよ 望郷編 1970年松竹

第5作 男はつらいよ 望郷編 1970年松竹

さて、山田洋次監督が復帰した第5作目です。

本作を再び監督するにあたって、山田監督は、自分がメガホンをとっていないを前作、前々作に感じていたという違和感をスッキリさせ、ドラマ時代から脚本を担当してきたこのシリーズを、自分なりに完結させようと思っていたようです。
それは、キャスティングに、見事に現れています。
ドラマ版のレギュラーだった俳優が、本作には多くゲスト出演しているんですね。
本作のマドン

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第4作「新・男はつらいよ」1970年松竹

第4作「新・男はつらいよ」1970年松竹

第4作「新・男はつらいよ」

寅さん映画の公開は、ずっとお盆と正月だと思っていましたが、ちょっと調べてみたらビックリ。
実はここまでの4作はちょっと話が違いました。
1作目が公開されたのが、1969年の8月、続編が同じ年の11月、3作目が1970年の1月というペースで製作され、本作が公開されたのがなんとその翌月。
前作の公開から、なんと40日後なんですね。
つまり、「男はつらいよ」シリーズのここま

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第3作「男はつらいよ フーテンの寅」1970年松竹

第3作「男はつらいよ フーテンの寅」1970年松竹

ドラマ版「男はつらいよ」の脚本で、最終回に寅を殺してしまったことでファンのクレームがフジテレビに殺到したのは有名な話。
その罪滅ぼしのために、松竹に掛け合って、映画化したのが、そもそもこのシリーズの1作目「男はつらいよ」でした。
会社側は、当時の常識として、ドラマの映画化を渋ったわけですが、山田監督は、「映画が当たらなかったら、その責任を取って会社を辞める」とまで啖呵を切った末のクランクインだった

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