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雑記@美術史

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需要はあるのかな?明日から本気出します(´・ω・`)
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記事一覧

ある美術史家の講演会

数年前にある美術史家の講演会に行きました。2回ほどだったと記憶しています。

斬新な説を発表するスタイルだったので、当時はとても新鮮に見えたのでした。

彼の美術史家としての存在を否定する国立大学教授が居て、学生達に「あの男の講演を聞くな。関わったのが判った時点でゼミを追放する」と言ったという噂を聞きました。

何故なのかを自問自答した結果、私も彼からは距離を置くことにしました。講演会に行くことは

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リキテックス講習会

リキテックス講習会

先日、アートファクトリー城南島にて開催されたリキテックスの講習会に行ってきました。

リキテックスとはアメリカ生まれのアクリル樹脂絵具で定評のある絵具なのです。私はこれまでリキテックスをメイン使いして制作をしたことはなかったのですが、去年、日本での販売元のバニーコルアート社のモニターになったのをキッカケに徐々にリキテックスを制作に取り入れるようになりました。

そこで突き当たる壁がありまして。リキ

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画の六法

【岡倉天心の場合】
岡倉天心が藝大で教えていたものです。
現在でも受け継がれていると聞いています。

一.気韻生動
 画面全体に生命感、躍動感がある。
二.骨法用筆
 筆勢、筆の扱い方を学ぶべし。
三.応物写形
 全て写生に始まるべし。
四.随類伝彩
 全て色彩有り、その着彩表現を学ぶべし。
五.経営位置
 形や意匠、構図や組立を考えるべし。
六.伝模移写
 名作の画を模写して学ぶべし。

【東洋

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メディウムabc

飽くまで自分用memoです。
学生時代にちょっとばかり研究していました。
社会人になってから暫くは金属を弄っていたこともあり、此方に記載したものは確立した媒材とはなっていません。
悪しからずご了承お願い致します。

【油絵具】
透層用
テレピン 4
ダンマル(油:ダンマル=2:1) 4
サンシックンドリンシード 2
ベネチアテレピン 1

透層・描画用
テレピン 9
ダンマル 9
スタンドリンシー

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范寛「谿山行旅図」(台北/国立故宮博物院蔵)について

范寛「谿山行旅図」(台北/国立故宮博物院蔵)について

本作品は台北の故宮博物院に所蔵されていて五年に一度しか展示・公開されないと言います。二十世紀に入ってから本作品の損傷が激しく、後百五十年は持たないのではないかと言われています。
先日、忠実な複製をじっくりと鑑賞する機会を得ることが出来ました。

范寛は五代、北宋初頭に活躍した華原(陜西省燿県)出身の人です。性質が温厚で度量が広かったことから、人々は彼を「范寛」と呼びました。画家としての出発点は李成

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【3/11】実作講座「演劇 似て非なるもの」と「絵と美と画と術」共同企画 踊る人体ヌードデッサン会 川口隆夫『SLOW BODY ― 脳は感覚を持たない』vol.24

【3/11】実作講座「演劇 似て非なるもの」と「絵と美と画と術」共同企画 踊る人体ヌードデッサン会 川口隆夫『SLOW BODY ― 脳は感覚を持たない』vol.24

本日、美学校にて開催された講座に参加してきました。参加者は二十人程でした。私は男性のヌードデッサンと、動く人体のデッサンは初めてだったので緊張しました。

どのような形になるのか、非常に楽しみだったのですが、パフォーマンスとしても見応えのある内容でした。BGMの途中の原発についての苦し紛れの国会答弁周辺のパフォーマンスが特に印象的でした。

私は三十枚程色鉛筆を使ってデッサン(否、クロッキーという

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村上隆の五百羅漢図展

村上隆の五百羅漢図展

今週初めに終了した展覧会ですが、思うところがありましたので、ここに記します。村上隆自身は独自の解釈は好まない(印象論は受け付けない)とのことなので、配慮しながらになりますけども。

会期中、三十万人以上の来館者があったそうです。知人から聞いた話なのですが、それでも採算が合わないので、村上隆の大規模な国内での個展はこれが最後だろうと言います。
私自身、三回行きましたし、図録も買いましたし、それなりに

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狩野一信の五百羅漢図展

狩野一信の五百羅漢図展

昨秋、増上寺で開催中の展覧会の内覧会に行って参りました。一部にはなりますが無料で実物を観ることが出来ました。

実は本作品群は昨日、森美術館にて盛況のうちに終了した「村上隆の五百羅漢図展」の下敷きとなった作品なのです。二百人の美大生を集め、二十四時間体制で四千枚のシルクスクリーンを重ねた全長百メートルの作品を生み出す原点が増上寺にあったわけです。

狩野一信作の五百羅漢図の存在は知っていましたが、

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気韻生動と神気

【気韻生動とは?】
1.山水画におけるアトモスフィアの表現
2.逸品画家におけるアクションペインティングの表現
3.若冲様式における神気の表現

【結論】
作風や表現形態は刻一刻と変化してよい。
「気韻生動≒神気」である。気韻生動は画面上に動勢を表現するのに対し、神気は変化する形態を画面上に写し取ることである。
神気は眼の表現である。若冲様式とは本来ならば眼がないもの(草木や岩など)に

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恩師より覚え書き

日本画の組成

日本画とは明治期以降に導入された概念でして、それは真剣に議論している方々の研究を待つとして、所謂日本画とされている絵画の大元における部分を書き出したいと思います。

【媒材】


【組成】
1.胡粉
2.朱
3.群青
4.緑青
5.黄土
6.岱赭
7.墨
8.金箔、銀箔など金属類

【支持体】
紙、絹、木など

古来の絵巻や何かは先に挙げた「胡粉・朱・黄土・群青・緑青」で出来てい

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